家庭での性教育に悩む保護者を助ける、ある絵本があります。
その名も『性の絵本』。現在全6巻からなり、性についてイラストとふりがなつきの文章でわかりやすく説明されています。

自分の心と体を守る、プライベートゾーンについて



おすすめの活用法について、たきれいさんはこう話します。
「お子さんが反抗期になると会話がしづらいことがありますが、トイレや本棚にそっと置いておくことで、お子さんのペースでじっくり読んでもらえるのでは」
2巻(5歳頃から)より
多様な性について


赤ちゃんの命のはじまり

5歳頃から読むことができる1・2巻では、性教育の基盤となる知識や考え方が、やさしい言葉で表現されています。
3巻(思春期前頃から)より
思春期の心と体の変化ついて


この絵本のイラストは、「文字が読めない人にも具体的に伝わりやすく、しかし生々しくなりすぎないように」描かれているといいます。
そして、「内容はあくまで科学的な視点で、人権に配慮しつつも、お説教にはならないように」気をつけて表現されています。
4巻(小学校高学年頃から)より
性的同意について

5巻「安全なオナニー・セルフプレジャー」

読者からの要望により誕生した5巻。親から直接はアドバイスしづらい内容も、専門家の監修によりわかりやすく説明されています。
6巻「思いがけない妊娠をしたらどうする?」


「思いがけない妊娠」は大人にも通じるテーマですが、現実では小学生・中学生も直面する問題でもあります。そのため、性の絵本では小学生ぐらいから理解できるようにかかれています。

このテーマをどうしても取り上げたかったという、たきれいさん。
「もしもの状況になったときのための知識は、自分だけでなく周りの人の助けにもなるため、性別問わず知っておいて欲しい」と話します。
“番外編”もあります。
性の絵本には、番外編のリーフレットがあります。

このリーフレットは、性的な被害に限らず、虐待などを受けている子どもが近くの大人にSOSを出しやすくなるようにつくられたものです。
性の絵本2では、通報するべき性被害などの例が説明されていますが、そこでは基本的に家族以外の人から加害される場合が想定されています。
しかし、「これでは家族からの被害を受けている子どもにとって情報が足りなすぎる」との思いから、番外編が作られました。
図書館や公民館でも手に取れるようにすることで、虐待などを受けている子どもが助けを求めやすい環境をつくることを目指しているそうです。
