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日本で生まれ育った私は「外国籍だから」部屋が借りられない。本当に国籍が問題なのか。

「外国籍」と聞いただけで電話を切る大家もいた。こんなに難しいとは...

引っ越しをする時、住みたいと思える部屋を見つけるまでの苦労は大きい。しかもこの苦労は一部の人にとってはかなりでかいのだ。

「外国籍不可」の壁

今年の4月で社会人2年目になろうとしていた私は、学生時代から住んでいた物件を出てもいい頃だと思い、不動産屋を訪れた。

担当者に希望条件を伝えると、それとマッチする物件の書類をたくさん机に置かれた。

「よし、いい数」と思い、10枚分以上の空室状況などを大家、または物件の管理会社に電話で確認してもらう。

「ただこの方、外国籍でありまして...」「......はい。承知いたしました。失礼します」

ああ、そういうことか。きっと「外国籍不可」だったのだろう。

私は愛知県で生まれ、山形県で育った。海外経験は大学で語学留学をした1年のみ。両親はアメリカ人なので、外見はバリバリ外国人、国籍もアメリカ。

日本の国籍は両親のどちらかが日本人でないともらえない。小学生の時に永住権をとった。

こんなに難しいとは...

不動産屋の担当者が一通り物件の照会や電話確認を終えた時、実際に見学できる物件は3件だけだった。エリアをだいぶ広く指定していたし、そこまでわがままな条件を言ったつもりはない。

家賃の上限を少し上げても、新しく紹介されるところはなかった。

すぐ後に別の不動産屋に行き、良さそうな部屋があったのでまた別日に見学をすることにした。この時点で見学をする予定だったのはここだけで5件くらい。

ところが、別日に行くと2件しか見学ができないと言われた。理由は説明されなかったので、恐らく外国籍が無理なのだろうと思った。

見学した2件のうち1件の物件を気に入り、「外国籍相談可」だったので翌日に入居の申し込みをした。

審査を通った後の契約寸前で「本当は日本人の方がすぐ後に申し込みされたんですよ。でも、あなたがすごくしっかりしている人だからと話しておきました」と誇らしげに言われたので、「ありがとうございます」とお礼を言った。

不動産屋の中には外国人のお客さんを面倒くさがるところもあるけれど、それはきっと受け入れてくれる大家が少ないからだろう。「外国籍」と聞いただけで慌てて電話を切る大家も複数いた。日本人のお客さんを相手にしたほうがコスパは良さそうだ。

自分が生まれ育った国で部屋を借りることがこんなに難しいとは思っていなかったので、心がえぐられる感覚だった。

このような経験をしたのは、私だけではなかった。


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「国籍が日本」でも変わらなかった

ロージーさん (24) は東京在住のイギリスと日本のハーフ、国籍は日本だ。日本で生まれ、10歳の時にニュージーランドに移住をした。都内の大学へ通うために再び日本に帰国した。

「外国籍」であることが問題なら、ロージーさんは日本国籍を持ち、片親も日本人なので、私より簡単に部屋が見つかるはずだ。

ロージーさんは不動産屋に行く前に、インターネットでいくつかの物件をマークした。それを見せると「ここは外国籍不可」「ここの大家は外国人が無理だから」と言われた。

「一応国籍は日本人の方なのですが、ハーフなんです」と不動産屋の担当者は電話で伝える。それですぐに断る人もいたという。

日本の国籍を持ち、日本語も問題ないということを伝えても、何も変わらなかった。結局「外国籍相談可」の物件だけを紹介された。

外国籍不可でない物件でも、国籍がどこなのかを確認するところもある。私の場合、「アメリカ」と伝えて断られることはなかった。

他の国はどうなのか。


どこの国籍を持つかで扱いが変わる

マイケルさん (25) はインドネシアのジャカルタ出身。都内の大学に合格し、通学のために初めて日本にやって来た。

大学に通いやすい部屋を借りたいと思い、不動産屋を訪れた。いくつか気になる物件を見つけて確認の電話をかけてもらう。

でも、国籍がインドネシアだとわかった途端、すぐに電話を切る大家が多かった。

ここで数時間部屋を探すも、見学できる部屋は一つもなかった。

後日、改めて別の不動産屋で探してみた。数時間後、見学ができる部屋が一つ見つかった。それも大家が偶然インドネシアを好きだったからだという。

最後は不動産屋に勤めている知人に頼み、見学ができる部屋を一つ準備してもらうことができた。大学に一番近かったため、そこに決めた。

3件の不動産屋を訪れた結果、見学ができた部屋は2つだった。

「外国籍」といっても、ひとくくりにできない。どこ出身なのか、欧米人なのかアジア人なのかで扱いに違いがあることがわかった。


日本国籍があっても「日本人」にはなれない?

もし私が日本国籍に帰化すれば解決するのかどうか、考えることもある。日本で生まれ育ち、日本語もネイティブ並みに話せるので、日本国籍があればやっと「日本人」として見られることになるのではないか。

でも、ロージーさんのケースのように、日本の国籍を持っていても、「日本人」としては見られない。「日本人」と「日本で生まれ育った人」の間には何かの一線があると、この時感じた。

この記事に対するSNSでの反応が、正直言って怖い。「外国人の話はどうでもいい」や「外国人に日本の何がわかる」といったコメントをSNSでよく見かけるのが事実であり、今回もそのようにとらえられて終わってしまうのではないかとも考えた。

ただ、私は「今すぐ社会が変わるべき」と正義を語りたくてこの記事を書いたわけではない。

もちろん大家はリスクを背負う側であるので、「家賃を払わないまま国に帰られてしまったら」「言葉が通じないとトラブルの時に困る」といった心配をする人が多いのだと思う。

単に「外国人が嫌い」だから受け入れないという人は実際かなりの少数派だろうということは、日本で育った私には感覚的によくわかる。

このような経験をしている人がいること、これからもまた増えることを知るきっかけになってほしい。

日本政府観光局によると、2016年には訪日外国人旅行者数の数が過去最高の2403万9千人を記録し、今年の4月だけで前年比の23.9%増になった。

日本に興味を持ち、いつか来たいと思っている人はとても多い。住みたいと思っている人も世界中にたくさんいるだろう。


Kyla Ryanに連絡する メールアドレス:kyla.ryan@buzzfeed.com.

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