Kodo Nishimuraさんは、ミス・ユニバース世界大会など、世界で活躍するメイクアップアーティスト。日本のLGBTQコミュニティーに向けた応援活動をしている。一方、僧侶の活動もしている。

LGBTQであることは誇り
Kodoさんは18歳の時に渡米し、短大に通ってからニューヨークのパーソンズ美術大学に入学した。そこで彼の転機が訪れた。
「日本にいた頃は、自分の良さがわからなかった。でも、パーソンズでは一般的に言う男性、女性にとらわれない多様な『性』の人たちが活躍している姿を見て、これは誇るべき力だと気づいたのです」
今では決してLGBTQであることを隠したりはしない。日本のLGBTQコミュニティーを積極的に応援もしている。

Kodoさんは日本のLGBTQコミュニティーに向けたメイクセミナーを参加費無料で開催してきた。
「『OUT IN JAPAN』の撮影に参加した時に、多くのトランスジェンダーの人たちと出会いました。メイクに慣れていない人たちが多かったので、アドバイス出来たらいいなと思ったのです」

Kodoさんがメイクアップアーティストになりたいと思ったのは、親友のメイクを手伝ってあげた時に彼女の喜んでいる姿を見た時だった。
「プロの技術を学べば、もっとたくさんの人を喜ばせられると思いました」そこから彼は自分でメイクを勉強するようになったという。

コンプレックスが自信に変わる
Kodoさんはアメリカに行ってから、自分の日本人としての外見に自信を持てなかったという。メイクを使っていつも自分の目を大きくしようとしていた。
2007年、森理世さんが日本代表として出場したミス・ユニバース世界大会を優勝した。彼は、彼女が持つ日本人特有の美しさに感動した。
「とにかく目を大きくしてハーフ顔に見せるのではなく、日本人が持ってる独自の良さをそのまま生かしたメイクをしていて、私はそれが本当に美しいと心から思ったのです」
Kodoさんは森さんのメイクを担当していたメイクアップアーティストにお願いをしてアシスタントとなり、5年間みっちり修行をした。
今ではファッションショーなどのイベントのメイク担当や、WCBA(ワールドクラスビューティーアカデミー)でメイク講座をしている。

僧侶とメイクに共通すること
Kodaさんは2015年12月に僧侶になるための修行を終えた。「一番辛かったのは正座かな」と笑いながら話す。
僧侶は着飾ってはいけないという教えがあるため、悩んでいた時期もあったという。「教えやメッセージをみんなに伝えられる環境をもっと作れるのであれば、いいのではないか」と恩師にアドバイスをもらったのが救いだった。
「私はやはり僧侶として、みんなが調和の中で幸せに生きれたらと考えています。メイクは自分が幸せになるひとつのツールだと思うし、自分が幸せだと周りの人に優しくできる。そういった意味では良いコネクションなのではないかと思います」

メイクアップアーティスト、僧侶の活動には「人を幸せにしたい」というのが共通の原点になっているようだ。