私はファッションが好きで新しいスタイルを試すこともすごく好きだ。でも、ヒールの靴は全然履かない。ドレスコードがあればそれは仕方ないから履く、という感じだ。
なんとなくヒールは「自分は背が高いから履けないもの」だと思ってきた。
ヒールを履くことが自分の中で大きなコンプレックスになっていることに気づいた。

中学生になると「背高い女子はモテないからかわいそう」と廊下などで耳にするようになった。
162cmの友達は「小さく生まれたかった」と言うし、私のように背が高い女子はすでに身長をコンプレックスにしていた。
同年代の女子が読む雑誌には、「モテ術」などのところに「男子はちっちゃい子が好き」とか書いてあるし、自分よりも背の低い男子とは付き合えないみたいな風潮だってある。

170cm以上ある身長を「嫌」とは思わないけど、同時にヒールでこれ以上高くなることに抵抗があった。
「ヒールが嫌いだから履かない」だったらまだいいのに、身長のせいで履かないのはファッションどころか人生でいろいろ損になっている気がしたので、1週間ヒールを履き続けることにしてみた。

翌日、シューズラックの中で眠っていたヒールのブーツを取り出して通勤。感覚が久々で、歩く速度がいつもより遅くなる。
ヒールを履けば自然と姿勢も良くなり、脚のラインを綺麗に見せられることに感動した。服装にもいつもより力を入れたい気持ちになる。
1日中ヒールで過ごし、オフィスでは特に何も起こらないまま(当たり前)、彼氏と夕食の待ち合わせをした。「私の方が少し背高い?」「やっぱり追い越したな」などと考えていた。
でも、ずっと何も言われないので、「今日ヒール履いてみたんだけど」と言うと、「ふーん、確かに言われてみれば背高いな」と一言だけ。
自分よりも背が高くなった彼女に気づきもしなかった。

初日を終え、残りの6日間もヒールを履き続け、「新しい靴?」と聞かれる以外は友達や彼氏を含め、特に何も言われなかった。
その1週間で思ったことは、自分が気にしてコンプレックスにもしていることは、大体他の人にとってはどうでもいい。
私がヒールを履いて身長が180cmになろうと、自分以外に誰が気にするのか?
それなら、変な思想にとりつかれずに自由に好きなことをしたりファッションを楽しんだりして生きたいと心から思った。
「背の高い女子は可愛くない」と繰り返し言ってきた世の中に中指を立ててあげたいと思った。

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