
1月13日に映画芸術科学アカデミーが、2020年アカデミー賞のノミネーションを発表した。
しかし、候補者のほとんどを「白人」が占め、全般的に多様性に欠けていると批判を受けている。
今年多数の有色人種の俳優がその演技を評価され、ゴールデングローブ賞、放送映画批評家協会賞、全米映画俳優組合賞にノミネートされたにも関わらず冷遇されたとして、人々が憤慨している。
冷遇されたのは、『フェアウェル』のオークワフィナ、『ハスラーズ』のジェニファー・ロペス(米国では「ラテン系」になる)、『ルディ・レイ・ムーア』のエディ・マーフィ、『アス』のルピタ・ニョンゴ、『黒い司法 0%からの奇跡』のジェイミー・フォックスなどだ。
また『Queen & Slim(原題)』の監督を務めたメリーナ・マツーカスも冷遇を受けた一人だ。
唯一ノミネートされた有色人種の俳優は、『ハリエット』でハリエット・タブマンを演じたシンシア・エリヴォだった。

ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』も、6部門でアカデミー賞の候補にあがった。
韓国映画として初めて、作品賞、監督賞、国際長編映画賞の各部門でノミネートされた。同時に美術賞、編集賞、脚本賞にもノミネートされている。
2015年に作家、コメンテーターのエイプリル・レイン氏が、アカデミー賞のノミネーションや受賞がいまだに白人に占められていることに焦点を当てようと、ハッシュタグ#OscarsSoWhite(オスカーは白すぎる)を生み出した。
SNS上で、この#OscarsSoWhiteを再び使い始めた人も見られる。
「黒人俳優の候補者が1人…今年は黒人、ラテンアメリカ人、アジア人の俳優による数多くの素晴らしい演技に報いる機会が山ほどあったのに」とある人はツイートしている。
「候補者が1人いるからって、この#OscarsSoWhiteな顔触れが正当化されるわけではない」
「ルピタ・ニョンゴ、ジェニファー・ロペス、オークワフィナ。この3人の演技がいかに優れていたかについての話の方が、アカデミー賞の候補者全員分よりもずっと多い。アカデミーは見当違いな方向に向かって自身を破滅に追い込んでいる。#OscarsSoWhite」とツイートする人もいた。
Lupita Nyong'o Jennifer Lopez Awkwafina I saw more conversations about how good these 3 performances were than all of the Oscar nominees combined. The Academy is dooming itself to irrelevancy. #OscarsSoWhite
作家のロクサーヌ・ゲイ氏も同じようにツイートし、今年のノミネーションから外された女性や有色人女性がいかに多いかを書いている。
「アカデミー賞のノミネーションは毎年めちゃくちゃだけど、今年はさらに一層めちゃくちゃ。ルル・ワン、メリーナ・マツーカス、グレタ・ガーウィグ、ルピタ・ニョンゴ、ジェニファー・ロペスが候補にあがっていないなんて。あきれた。今年のアカデミーは、映画を観てさえいないんじゃないの?」
2019年にもっとも高く評価された映画の多くの監督が女性であるにもかかわらず、監督賞部門の候補者がすべて男性であることでも、アカデミー賞は批判を受けている。
アカデミー賞史上で監督賞の候補にあがった女性は、リナ・ウェルトミューラー(1976年)、ジェーン・カンピオン(1993年)、ソフィア・コッポラ(2003年)、キャスリン・ビグロー(2009年)、グレタ・ガーウィグ(2017年)とわずか5人にとどまっている。
その中で受賞した女性は、『ハート・ロッカー』を監督したキャスリン・ビグローのみだ。
今年はグレタ・ガーウィグ(『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』)やルル・ワング(『フェアウェル』)などのノミネートが予想されていたが、結果は落選となった。
この記事は英語から翻訳・編集しました。