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「処女性」や「純潔」なんてどうでもいい! ある母親の教えに賛同の声

「人生のある時点で、たまたま誰かの性器が入ったからといって、それであなたの価値が変わるわけじゃない」 「最初の経験を特別視するより、いつだって特別な経験にするほうがいい」

TikTokユーザーの@nevadashareef がこんな呼びかけをした。

「子育ての方針について、他人から見たら変わっていても、自分としてはこれでよかった、正しかったと思うことがあれば 教えてください

これを知ったケイシー・ラコルテさんという女性が、自身の体験を動画で投稿した。

ケイシーさんの動画

ケイシーさんの動画はすぐに拡散され、再生回数は200万回を超えている。

5人の娘をもつケイシーさんは動画で、「処女性などというものは存在しない」と語る。

@book_mama / tiktok.com

「(処女性とは)女性を支配するために使われる男性優位の考えかたからくる概念で、何のためにもなりません。女性に自分には価値がないと思わせるだけです」

「人生のある時点で、たまたま誰かの性器が入ったからといって、それであなたの価値が変わるわけじゃないし、あなたがどんな人かも変わらない。ただそういうことがあったというだけ」

「性行為は重要です。大事なことです。いつだって大事なことでなきゃいけない。初めてだからとか関係ないんですよ。この概念自体がばかげています」

そしてこう続ける。

「他のお母さんたちからは、ごちゃごちゃ言われましたよ。『でもそれだと娘さんたちが、誰彼かまわず関係をもつようになったりしませんか?』とかね」

「で、私は言うんです。『いいえ、私は娘たちに良識ある人であってほしいし、確固とした土台をもってもらいたい。何かの本に書いてあるからではなく、賢明で知性ある選択を自分でできる人になってほしい、そう思って育てています』って」

BuzzFeedはケイシーさんに話を聞いた。 動画が共感を集めたのは、多くの人が同じように思いながらも明確に言葉にできずにいたことが理由ではないか、とケイシーさんはみているという。

@book_mama / tiktok.com

動画についたコメント:「本当にこれをみんなの標準にするべき!!たった15秒でものの見かたを変えてもらえた。とても納得してます。感謝」

動画に寄せられたコメントには、性的暴行の被害者の声も多い。

「『レイプされた、暴行された、したくないことを強要された』という体験を誰もがしています。みんなが共感できるんです」

「自分の価値が処女性や純潔性と結びついていて、誰かがそれを奪う、そんなことを社会がこぞって言い立てるんですよ」

「本当に心が痛むし怒りを覚えるし、そのへんのものをぶち壊したくなりますよ」

「こうした何もかもにみんな怒っているわけで、つらい体験をしても自分自身を認めて楽になれる人が一人でもいれば、発信してよかったなと思えます」

@book_mama / tiktok.com

動画についたコメント:「これ、すごくいい…自分はレイプされた。これを聞いて泣いた。あなたの基準でみれば、自分は汚されてなんかいない。私には価値がある」

ケイシーさんはさらに、ここで伝えたメッセージは処女性に限った話ではない、と言う。

「論理的でない勝手なルールを自分自身や子どもたちに押しつけて、総合的な観点を欠いているんじゃないか、という話です」

「それよりも、妊娠や性感染症、自尊心について教えることができたほうがいい」

「最初の経験を特別視するより、いつだって特別な経験にするほうがいい。誰でも最低限そうされるべき存在だからです」

@book_mama / tiktok.com

動画についたコメント:「私は結婚するまで待ったけど、最終的に意味はなかった。結局夫は私を裏切って、離婚に終わったから。賢い選択をするのが大事」

ケイシーさんは、サウスカロライナ州チャールストン在住。7歳から16歳までの娘5人と共に暮らしている。

Cayce LaCorte

自身の娘たちに性について教えるとき、ケイシーさんは娘の成長に応じて、少しずつ対話を積み重ねているという。

Cayce LaCorte

「小さいうちから始めて、まず身体のしくみの話から入ります。ハグをしなくてもいい、親戚の誰かに求められてもキスしなくてもいい、とか」

「娘たちには、身体のパーツについて必ず正式な名前を理解してもらうようにしています」

「脅威を感じたり、あるいはちょっと怖かったりしただけでも、声をあげて騒いでいいんだとを知ってもらいたい」

子どもたちは何かいやなことが起きても、おとなしく「騒ぎたてない」ようにと教えられているケースが多いからだと、ケイシーさんは指摘する。

ケイシーさんは娘たちの成長に合わせ、さまざまな形の愛、さまざまな形の家族があることを伝えていく。

Mikroman6 / Getty Images

「既存のジェンダー規範を解体していきます。男の子だってそうしたければピンクを着てもいい、メイクをしたっていい、というように」

「あくまでシンプルにしています。トランスジェンダーについて娘が質問してきたら答える、という感じで」

小学校高学年か中学生になると、より踏み込んだ話をする。

「性的同意のこと、やめたければノーと言うこと、他の人の境界線を尊重すること」

「健全な愛の形とそうでない愛の形について。支配されるとはどういう状態を指すのか。よきパートナーでいるとはどういうことかなどを話します」

「ジェンダーの流動性や、それがどういうものなのか、その人が使ってほしい代名詞を尊重することなども」

「大半の親は認めたくないかもしれませんが、子どもたちの多くは親が思うよりずっと早く、性のしくみについて知識を得ています」

101cats / Getty Images

「でも私は、事実でないことはちゃんと指摘して、子どもたちが抱く疑問にはできるかぎり誠実に答えたいと思っています」

「子どもは大人から感じとるものです。いつでも大人を見ていますから」

「大人のほうが気まずく感じて話したくないと思っていれば、子どももたぶん質問してこないでしょう。ですから大人の側も、自分は何が引っかかっているのか、分析してみる時間を持つといいですよ」

自分に息子がいても、まったく同じように対応するだろうとケイシーさんは言う。

「いわゆる、有害な男らしさと戦わなくてはいけません」

「これは巨岩を転がして丘を登るように困難ですが、不可能ではありません」

「男の子だとしても同じように、性的同意、多様性、愛、境界線、許可、オープンであることなどについて伝えます」

One person wrote, "and then there's me with my boys raising them to realize they are not owed anything from a woman. if she says no at any point, back up! and be safe [grinning emoji]"
@book_mama / tiktok.com

動画についたコメント:「うちは息子たちだけど、女性にはあなたたちに負うべき恩義はないんだと教えて育てています。相手がノーと言ったらその時点で引き下がるようにって」

動画でも触れているように、ケイシーさんは処女性という概念に異議を唱えている。

Cayce LaCorte

「純潔を重んじる文化は根本的に有害です」

「女性の扱いは男性とは異なります。それは、女性が所有物であった歴史が深く残っているからです」

「女性が夫のために純潔を守っていないと心配するより、女性が安心できる世界をつくることに社会が今の5割増でも注力すれば、どんな世界になるでしょう?」

社会の女性に対する見かた、扱いかたへのいらだちは、時とともに増していった、とケイシーさんは振り返る。

「私は昔からずっと厚顔でビッグマウスだったので、どう扱われても動じず切り抜けてきました。でも子育てを始めて、娘たちのことが心配になりました」

「女性にはただでさえ、外からいろいろな圧力がかかっているのに、女性たちは誰よりも自分に厳しいんです」

「毎日を生きやすくしたければ、私たちが女性として人間として、自分自身の捉えかたを変える必要があります」

「この考えが、私の毎日の子育てに影響しています。性教育の話をするときに限りません」

「処女でないからといって自分を忌み嫌わずにいられて、それで自尊心を育めるのだとしたら、その理屈を適用させれば人生全体がどれだけ変わるか。考えてみてほしいです」

@book_mama / tiktok.com

動画についたコメント:「セラピストとして盛大な称賛を贈りたい!」

「私の考えに賛同できない人は、何世紀も前から親たちがやってきたやりかたを続ければいいし、何かの形で事態がよくなるのを待っていればいいと思います」

Cayce LaCorte

「そういう人の気持ちを変えるのは、私の仕事ではありません。私のメッセージに関心がある、既存のやりかたを打ち破りたいという人のほうを向いていたいと思います」

「興味をひかれた人は、どうぞオープンな心をもっていてください。問い続けてください」

「言葉を発したり決めつけたりする前に考えて、子どもたちが助けを必要とするときに、頼られる存在でいてください」

ケイシーさんはこうも付け加えた。

「年齢の段階に応じて話すことと、重くならないようにすることも大事です。笑いを交えるといいくらい」

「うちの娘たちは私が男性優位社会についてや、TVや映画で女性をどう描いているかといったことを熱く説いて語るのを聞いて育ってきました(これもユーモアを交えてで、怖くて引くような感じではないですよ)」

「これは1回で終わり、という話ではありません。子どもたちと物事全般についてどう話しあっていくのか、総合的なアプローチの話なんです」

ケイシーさんは本を執筆中で、YouTubeチャンネルも始める予定だそう。 ウェブサイトTikTokはこちら。

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:石垣賀子 / 編集:BuzzFeed Japan