「中国と韓国をミサイル爆撃したほうがいい」 憲法改正に向け青年会議所が企画したTwitterが炎上、謝罪

    当初の狙いは「愛国心など保守的なことを面白くつぶやき、拡散をさせる」ことだった、という。

    若手経済人の組織である公益社団法人日本青年会議所(日本JC)は2月28日、Twitter上での「憲法改正への契機」のために企画したアカウントが「不適切発言を繰り返していた」として、お詫び文を発表した。

    問題となったアカウント「宇予くん」は、2017年12月以降、中国や韓国、共産党や社民党、朝日新聞やNHKなどを批判する内容を頻繁にツイートしていた。

    アカウントをめぐっては、日本青年会議所の関係者がクラウドソーシングサービス「ランサーズ」でアイコンを発注していたのではないかと、ネット上で批判の声が高まっていた。

    憲法改正議論を巻き起こすはずが…

    日本青年会議所の発表によると、このキャラクターは「元々は当会が憲法改正論議をより充実させ、憲法改正への契機とすべく、国民レベルでの議論をツイッター上で巻き起こす目的で企画」したものという。

    しかし、実際はそうした目的とは程遠い誹謗中傷をつぶやき続けていた。たとえば、以下のような文章だ。

    「中国は世界の嫌われ者。韓国は中国の舎弟。日本はこのバカ二国と国交断絶、もしくはミサイル爆撃したほうがいいど」(1月6日

    「ガイキチ朝日新聞。戦争での辛い記憶を書き綴り、だから憲法改正はダメと言いたげな頭の悪い記事。戦争なんて誰もしたくないど。戦争しないよう抑止力のため九条を改正するんだど」(1月8日

    「反日洗脳偏向報道機関のNHKだど。さすが国民から受信料を合法的にカツアゲしてるだけあってカネがかかってるど。NHKを見ると頭がバカになるど」(1月6日

    「お決まりの社民、共産、安定のアホだど。自衛隊が違法なら解散するのか、しないのか。きっと何にも考えてないど」(1月6日

    この「宇予くん」のプロフィールには、「保守思想、趣味は筋トレ、好物は肉」として、日本青年会議所が運営主体であることは記されていなかった。すでにアカウントは削除されている。

    ツイートは「担当者の個人的見解」

    「宇予くん」をめぐっては、アイコンを「ランサーズ」で発注したクライアントが、日本青年会議所で「改憲を推進する教育事業の企画・実施」を目指す組織「国家戦略グループ憲法改正推進委員会」の委員長ではないかという指摘が、ネット上で上がっていた。

    そのツイート内容について、日本青年会議所はお詫び文で、当初は「憲法改正に関する論点や歴史、愛国心など保守的なことを面白くつぶやき、拡散をさせるというもの」と企画していたと説明。

    そのうえで、実際のツイートはいずれも「担当者の個人的見解」であると弁明した。

    「実際に担当者から投稿されたのは、全て担当者の個人的見解である、関係ない機関・団体その他への誹謗中傷や品性を欠いた内容ばかりであり、当会の理念や運動の方向性とは著しく反するものです」

    また、憲法改正論議について、「国民レベルでの自由且つ健全な議論の下に行われるべきであり、他者を誹謗中傷することか ら前向きな議論やいい結論など生まれるはずがありません」と結んでいる。

    「憲法漫画」も削除

    お詫び文ではさらに、青年会議所が運営するサイト「ニッポンサイコープロジェクト」で掲載していた「憲法漫画」についても、不適切な表現があったとし、謝罪。掲載を取り下げたことを明らかにした。

    2月26日にアップロードされた作品の第一話「憲法のこと本当に知ってる??」には、お笑い芸人のブルゾンちえみさんを彷彿とさせる女性らが登場していることから、「宇予くん」のアカウントとともに、批判を浴びていた。

    お詫び文では「実在する人物及びその思想等とは、一切関係がありません」としながら、「誤解を生じかねない内容が含まれていた」と、削除の理由を説明している。

    そのうえで、2つの事態を「重く受け止め」ているとし、「皆様に混乱と誤解、そして何より不快な思いをさせたこと」を謝罪。再発防止策として以下の2点を掲げた。

    1. 当会のコンプライアンス審査において、完成した成果物自体を入念に審査します。
    2. 当会及び関連HPやツイッターの投稿において、当会の理念や運動の方向性に違反し た内容が掲載されていないかコンプライアンス担当で巡回審査を行います。

    BuzzFeed Newsでは、アカウント開設に至った経緯や運用方法などについて、日本青年会議所に取材を申し込んでいます。回答があり次第、加筆または新規記事で公開します。

    UPDATE

    日本青年会議所の回答を受け、青年会議所キャラ「宇予くん」の資料流出「対左翼を意識し、炎上による拡散を狙う」と明記という記事を配信しました。