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「左翼を意識し、炎上による拡散を狙う」 青年会議所キャラ「憲法改正の草の根議論」を目指していたが…

「中国と韓国をミサイル爆撃したほうがいい」などとツイートしていた。

若手経済人の組織である公益社団法人日本青年会議所(日本JC)がTwitter上での「憲法改正への契機」のために企画したアカウントが、中国や韓国、報道機関などへの誹謗中傷などを繰り返していた問題で、事業の企画段階では「対左翼を意識し、炎上による拡散」を狙うとされていたことが、わかった。

問題となったアカウントには、日本青年会議所の名前が記載されていなかった。「個人からの発信」とすることで「草の根の議論を巻き起こす」狙いがあったという。いずれもBuzzFeed Newsの取材で明らかになった。

この問題をめぐっては、2月28日に日本青年会議所がお詫び文を発表。担当者個人による「誹謗中傷や品性を欠いた内容」がツイートされていたとして、アカウントはすでに削除されている。

関連記事:「中国と韓国をミサイル爆撃したほうがいい」 憲法改正に向け青年会議所が企画したTwitterが炎上、謝罪

まず、経緯を振り返る

Twitter

日本青年会議所の発表によると、「宇予くん」とされるこのアカウントは、「憲法改正論議をより充実させ、憲法改正への契機とすべく、国民レベルでの議論をツイッター上で巻き起こす目的で企画」したもの。

そもそもは「憲法改正に関する論点や歴史、愛国心など保守的なことを面白くつぶやき、拡散をさせるという」目的があったという。

しかし、「全て担当者の個人的見解である、関係ない機関・団体その他への誹謗中傷や品性を欠いた内容」が投稿されてしまった、と説明している。

投稿されていたのは、「中国は世界の嫌われ者。韓国は中国の舎弟。日本はこのバカ二国と国交断絶、もしくはミサイル爆撃したほうがいい」などといったツイートや、朝日新聞やNHK、共産党や社民党などを誹謗中傷する内容だった。

そもそも「宇予くん」のプロフィールには、「保守思想、趣味は筋トレ、好物は肉」とのみ書かれ、日本青年会議所が運営主体であることは記されていなかった。

しかし、日本青年会議所との関係を疑う声があがり、ネット上で批判の声が高まっていた。その後、アカウントは非公開となったのちに削除。日本青年会議所がお詫びする事態へと発展した。

「個人による発信」が狙い

Twitter

なぜ、日本青年会議所の名前は記載されていなかったのか。

BuzzFeed Newsの質問に答えた日本青年会議所の説明では、個人アカウントに見せることで「草の根の議論を巻き起こしたい」との考えがあったという。

「特定団体からの発信ではなく、個人からの発信とすることで草の根の議論を巻き起こしたいとの考えから本企画に至りました」

「しかし、実際の投稿内容は、当会が意図したものとは大きく異なり、担当者の個人的見解に基づく特定の団体等への誹謗中傷ばかりの不適切な内容となり、到底議論と言える内容ではありませんでした」

そもそも、「宇予くん」の企画は2017年にされ、2018年1月から運営が始まったという。

しかし、「企画内容と実際の運営が大きく異なり、皆様にご迷惑をおかけする事態に発展してしまいました」という。

担当者個人が1人で運営していたといい、「かかる運営方法が本件の問題を引き起こした一因であると深く反省をしております」という。

また、ヒアリングの結果、「担当者がそういった考え方もしくは思想を有しているということではなく、本来企画されていた意図が議論を巻き起こすというもので、そのために行った手法の選択を大きく間違えていた」ことも明らかになったという。

そのうえで、「今回の事態を大変重く受け止め、再発防止に向けたコンプライアンス体制の再構築を徹底する」とも述べている。

流出資料に書かれていた当初の狙い

日本青年会議所

また、この問題をめぐっては、ネット上に、アカウントの企画段階のものとみられる内部資料が流出していた。

資料には、「憲法改正推進委員会でツイッターアカウントを取り、憲法改正をはじめとする歴史や愛国心など保守的なことを面白くつぶやく」「また、対左翼を意識し、炎上による拡散も狙う」などと記載されていた。

キャラクターのイメージは19歳の浪人生、性格は「右寄り、保守」という。「月間テーマ」にのっとって毎日ツイートすることのほか、SNSで話題になっている記事をキーワードとして用いることなどに言及されている。

また、ここでは、つぶやき事例で以下のような文言があげられている。

  • キャラ設定狙い:「おで、今日は改憲デモでよく歩いたど。うちに帰ってプロテイン飲んで寝るど」
  • 対左翼炎上狙い:「憲法第9条のおかげで戦争が起きないって言ってるやつ、頭おかしいど」


BuzzFeed Newsがこの資料の真贋を確認したところ、日本青年会議所は「当会の会議資料の一部として残っているものであることは確か」と回答し、こう弁明した。

「実際は当会のコンプライアンス担当部署の適正な審査を経ずに担当者が上程し、チェックを漏れた資料であり、かかる点が本件の発生に至った一因であると深く反省をしております」

そのうえで、「対左翼を意識し、炎上による拡散」という狙いがあったのかについて、こう説明した。

「当会としてそのような意思がないことは確かです。当会の運動理念と方向性については、ホームページ掲載の会頭所信をご確認ください」

改憲を推進するため、今後は…?

ランサーズ

さらにネット上では、アカウントのアイコンを「ランサーズ」で発注したクライアントが、日本青年会議所の「国家戦略グループ憲法改正推進委員会」の委員長ではないかという指摘が上がっている。

この点について、日本青年会議所からは明確な回答は得られなかった。

「担当者個人を特定することは、担当者に対する攻撃・嫌がらせといった更なるトラブルを生じかねません。そこで、大変勝手ではございますが、個人を特定することは 控えさせていただきたく、お願い申し上げます」

2018年度の事業計画に、「改憲を推進する教育事業の企画・実施」を掲げてい日本青年会議所。

今後は、SNS上でどのような取り組みをしていくのだろうか。この点については、「再発防止も含めた観点から一度企画を白紙に戻し、再構築を致します」としている。



Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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