東京オリンピック・パラリンピックの中止や、再延期を求める声が広がるなか、5年前にネットで拡散した偽物の画像が再び広がっている。

拡散しているのは、米ニュース週刊誌「TIME」の表紙のパロディ。
ツイッター上では1000リツイートを超えている投稿もあり、本物だと勘違いをしている人もいるが、これは2016年5月ごろにも広がっていたもので、BuzzFeed Newsは当時も注意喚起していた。
5年前は、東京オリンピック招致をめぐる買収疑惑が大きく報じられていた。東京招致委の理事長でもあった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が国会で参考人招致されるなど、注目を集めていた時期だ。
「Special Reports : Dirty Olympics」(特集:汚れたオリンピック)とのタイトルの下には、五輪のロゴマークが1万円札でかたどられている。
画像の右上に書かれた日付は「MAY 22, 2016」となっているが、そもそも本物の「TIME」は「May 23, 2016」と記載されており、1日ズレている。表紙は5月23日号までインターネット上で公開されており、この画像はない。
東京五輪をめぐっては、新型コロナウイルスの感染拡大に関連し、主要メディアの世論調査では回答者の過半数が中止や延期を求めている。
一方、国際オリンピック委員会(IOC)と日本政府は、今夏の開催に向けた歩みを続けている。そうした姿勢には批判も高まっており、風刺の偽物が再拡散される要因になっているようだ。