スペインで、当時18歳だった少女を集団レイプした男5人に裁判所が強姦罪を適用せず、判決に対する抗議デモが広がっている。

AFP通信によると、男たちは2016年7月、スペインで有名な牛追い祭り(サンフェルミン)で当時18歳だった少女を集団でレイプした。

男たちはスマートフォンで犯行の様子を撮影し、メッセンジャーアプリで拡散、自慢していた。少女の携帯電話も盗んだという。

ロイター通信によると、少女は男たちに「黙れ」と言われ従わざるを得なかった、と話している。

しかし裁判所は、男たちが「脅迫や暴力」を用いておらず、少女は同意もしていないが拒絶もしていないとして、強姦など性的暴力の罪を認めなかった。

検察は禁錮20年以上を求めていたが、言い渡されたのはより軽い「性的虐待」の罪で、禁錮9年だった。

こうした判決には、すぐに怒りの声があがった。各地では4月26日から、抗議デモが3日間にわたって続いている。

デモでは多くの人たちが「虐待じゃない。レイプだ」などという言葉を掲げた。参加者が3万人を超えた地区もあった。

この動きは、世界中で広がっている「#metoo」のムーブメントとも重なった。 「その話をして」というスペイン語のハッシュタグ「#Cuéntalo」も生まれている。

判決を下した裁判官の罷免を求めるネット署名は、120万を超えている。スペイン政府は、性犯罪の関連法案を見直すことを表明したという。
