2歳女児の衰弱死、無関係の児相に誹謗中傷 「見殺しにした」「ちゃんと仕事しろ」

    池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が、母親とその交際相手から暴行を受けたり、食事を与えられなかったりして衰弱死したとみられている事件。警察は日常的に虐待があったとみて捜査している。この事件をめぐり、担当の「札幌市児童相談所」ではなく「札幌 児童相談所」などと検索すると上位に出てくる「北海道中央児童相談所」に批判が相次いでいるのだ。

    札幌市で2歳の女児が衰弱死し、母親と交際相手が傷害容疑で逮捕された事件。

    児童相談所の対応を疑問視する声も相次いでいる中、無関係の児相にネット上での批判、誹謗中傷コメントが殺到していることがわかった。問い合わせの電話も相次いで寄せられ、通常業務の妨げにもなっているという。

    Google検索で「札幌市児童相談所」と調べると、別の児童相談所が大きく表示されてしまうことが影響しているとみられる。

    亡くなった池田詩梨(ことり)ちゃん(2)は、母親とその交際相手から暴行を受けたり、食事を与えられなかったりして衰弱死したとみられている。朝日新聞によると、北海道警は2人からの日常的な虐待があったとみて、調べているという。

    この事件をめぐっては、札幌市子ども未来局児童相談所に複数回にわたり虐待通告があったが、児相側は4月5日の通告後、面会しないまま対応を終えていた。

    通告後48時間以内に安全確認ができなかった場合は、立ち入り調査をするという「48時間ルール」が徹底されていなかったとみられる。

    また、北海道警は5月中旬に児相に面会同行や強制立ち入り検査「臨検」を求めたが、児相側がこれに応じなかった、としている。一方、児相側はこれを否定し、両者の言い分に食い違いが生じている。

    こうした報道が相次ぐなか、高まったのが児相への批判だった。しかし、その多くが無関係の「北海道中央児童相談所」に殺到したのだ。

    同相談所の担当者によると、報道後、問い合わせや批判、それ以外にも事件を受けた意見などの電話が相次いで寄せられており、通常の業務に支障を来たしかねない状況になっているという。

    担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、「誤解をしてかけてくる方が多い。通常の相談電話が妨げられるような事態が起きてしまえば、それは望ましいことではありません」と語る。

    なぜ、このようなことが起きたのか。

    実は、「札幌市児童相談所」や「札幌 児童相談所」でGoogle検索すると大きくサジェストされるのが「北海道中央児童相談所」なのだ。

    そもそも札幌市は政令指定都市のため、今回の事案を担当した「札幌市子ども未来局児童相談所」は同市内を管轄している。

    一方、批判が誤って殺到した「北海道中央児童相談所」の担当は石狩管内や後志管内。所在地は札幌市だが、今回の事件には無関係だ。

    電話だけではない。「北海道中央児童相談所」のGoogleのレビューに、誹謗中傷に近いコメントや、低評価が大量に寄せられている。

    「こんな児童相談所は要らない!」「仕事ならちゃんとやれよ 出来ないなら辞めろよ」「お前らいったいどうなってんだ!」「コトリちゃんを死なせたのも、この相談所の責任も重大だ!」「貴様ら、ちゃんと仕事しろ!」「殺人者の共犯者集団」「見殺しにした」……

    先出の担当者は「事実について確認をして、対処の必要があれば検討したい。誤解する方が出ないためにも、適切な表示が出る必要があるのでは、と思っています」と話している。