村を焼かれ、殺された子どもたち。いま、ミャンマーで起きていること

    たった2週間で、29万人が避難した。


    ミャンマーに暮らす少数派のイスラーム教徒、ロヒンギャの人たちがいま、危機に置かれている。

    8月25日に始まったロヒンギャとみられる武装勢力と、ミャンマー治安部隊の戦闘。それに巻き込まれ、バングラデシュに逃れた人たちは、9日までに29万人にのぼる。

    さらに戦闘ではロヒンギャの村が焼かれ、死者は1千人を超えているという。

    国境には川が多く、溺死も相次いでいる。避難民のほとんどは女性や子どもたちだ。

    80〜100万人いると言われるロヒンギャの人たちは、ミャンマー政府から国籍を与えられていない。不法移民の立場に置かれ、長年、迫害され続けている。

    バングラデシュ、インドネシアなど近隣のイスラーム諸国では、ミャンマー政府への抗議デモが起きている。その多くは、ミャンマーを実質的に率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問への不満だ。

    2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんはTwitterで声明を発表し、子どもたちが殺されている現状を非難。政府のロヒンギャへの対応は「悲劇的で恥ずべきこと」とし、過去に同賞を受賞しているスー・チー氏に行動を求めた。

    人道危機を受け、武装勢力は10日から1ヶ月間の一時停戦を表明したが、その効果は不透明だ。危機はまだ終わっていない。