五輪の開催されているブラジル・リオデジャネイロは、外務省が「世界有数の犯罪都市」とまで呼ぶ街。安全に観戦を楽しむための手引きを作成したほどだ。

在リオデジャネイロ日本国総領事館 / Via rio.br.emb-japan.go.jp
手引きによると、昨年、リオ市で起きた殺人事件は1205件(1日あたり3.3件)。強盗事件は81740件(1日あたり224件)にのぼる。

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ちなみに日本全国で昨年起きた殺人事件は933件、強盗事件は2426件だ。人口10万人あたりに換算してみると、リオ市で起きている殺人事件は実に日本の25倍、強盗事件は660倍になる。
銃撃戦や路上強盗は当たり前だ。

在リオデジャネイロ日本国総領事館 / Via rio.br.emb-japan.go.jp
在リオデジャネイロ日本国総領事館のホームページによると、リオ都市圏には1000を超えるスラム街(ファベーラ)があり、「重火器で武装した麻薬密売組織間の抗争や銃撃戦がしばしば発生し、流れ弾によって多くの市民が死傷」しているという。
市街地では、路上強盗や窃盗事件が多発。「観光地や幹線道路などにおける集団強盗の発生」もあとを立たないといい、「わずかな油断や過信が大きな被害につながるおそれがあります」と呼びかけている。
手引きの鉄則は「自分の身は自分で守る」。その上で、以下のような注意事項が書かれている。
* 歩きスマホはNG
* 周囲に気を配り、時々振り返って警戒心を示す
* 目立つ服装や装飾品を着けない
* 人混みでバッグを背負わない
* ズボンの後ろポケットに財布などを入れない
* 現金やカードはひとまとめにしない
* 夜間は近距離でもタクシーを利用する
強盗に遭遇した場合は、こんなことに注意しよう。
* 相手が少年でも拳銃やナイフを持っているかもしれないので、抵抗しない
* 相手の顔を直視しない
* 抵抗せず、要求された金品は素直に渡す
* 他人が襲われていても、むやみに助けに行かない
外務省の担当者は、BuzzFeed Newsの取材に「近年五輪が開催されてきたなかでは、一番危険性が高い都市。とにかくこの安全の手引きなどを全文読んだうえで、渡航の判断をしてほしい」と話した。

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被害に合う確率は強盗事件が一番高いといい、「犯罪に巻き込まれる可能性があると、常に認識するべきだ」と語る。
「渡航に関しては自由な権利があるので、行かないでとは法的に言えないが、行くことはあくまでご自身の判断。自分が気をつけることによって防止できることもある」