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令和になった日、新聞が伝えた「課題」

女性宮家から少子高齢化、経済停滞、外国人労働者をめぐる社会の多様化ーー。さまざまな課題を抱えた令和がはじまった。

令和最初の新聞は、新時代の訪れをどう伝えたのか。

BuzzFeed

30年におよんだ平成が終わった。

上皇さまが退位され、新天皇陛下が即位される5月1日の朝刊は、令和の時代をどう見据えているのか。

BuzzFeed Newsでは、全国5紙の社説を中心に報道を比較した。

読売新聞「平和と安定へ努力重ねたい

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読売新聞は「新天皇陛下即位」との見出しで、上皇さま、上皇后さま、新天皇陛下、新皇后さま4人のプロフィールを掲載した。

「平成から令和へ」と記した社説は「平和と安定へ努力重ねたい」との見出し。GDPや1人あたりGDP、財政の停滞悪化に触れながら、「現状に安住してはなるまい」と呼びかけている。

一方、政治については「行き過ぎた市場原理主義やポピュリズムは蔓延しなかった」とし、背景には安定を求める「それなりに豊かな中間層が日本を支えている」と指摘した。

さらに平成改元時の社説で「私たちは平和と繁栄をさらに確固たるものにする責任がある」と書いたことに触れ、「曲折を経たものの、合格点に達した」と振り返った。

そのうえで、「政治・社会の深刻な分断を回避しなければならない」ことや「平和と安定、繁栄を維持」することを令和の目標に掲げた。

朝日新聞「等身大で探る明日の皇室」

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朝日新聞は「令和 新天皇即位」との見出しで、上皇さまの「支えてくれた国民に感謝」という言葉を大きく掲載した。

1面では、福島申二・編集委員の「言葉の力を信じ 語って」というコラムを掲載。日本には「戦後」という、もう一つの「元号」があり、令和元年は戦後74年だ、と指摘した。

そのうえで、上皇さまの「簡素に磨かれた平和へのたしかな言葉と、ご夫妻の祈りの姿」に触れながら、新天皇ご夫妻が「言葉の力を信じ、ご自分の言葉を大切にして語っていただきたいと願う」とした。

一方、社説は「等身大で探る明日の皇室」との見出し。これまでの公務に加え、外国人労働者が増えるなどの「内なる国際化」に向き合うことになる、などと指摘した。

そのうえで、30代以下の皇族7人のうち6人が女性であることに言及。「いよいよ検討を迫られる」として女性宮家構想に言及。安倍首相がこの問題の「議論を避けている」と指摘し、「天皇制は重大な岐路に立たされている」と結んだ。

毎日新聞「令和時代に入る日本 変化にしなやかな適応を」

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毎日新聞は「新天皇陛下 即位 令和時代幕開け」との見出し。即位の礼の様子を伝えた。

社説では「令和時代に入る日本 変化にしなやかな適応を」との見出し。今回の改元が祝祭的であるとしながら、「人々の間で心機一転のリセット願望が強い」と指摘した。

経済の悪化や国際情勢、多くの自然災害などに触れながら、「歴史の流れは連続し、決して途切れることはない」とし、新たな時代には「しなやかさと辛抱強さ」が求められるとした。

急速なグローバル化のなかで日本が相対的に安定を保っているのは「象徴天皇制による絆があるからだとも言われる」としつつ、在留外国人が増えていることに触れながら、「同質者の集合ではなく(…)多様性の尊重」が必要になると訴えた。

そのうえで、人口減少と高齢化が進むこれからは、「辛抱強くその痛みと向き合う」ことが必要だとし、天皇陛下は象徴であっても主体ではないとしながら、「国の姿を考え、社会の調和を図っていくのは、国民自身の課題」と結んだ。

日経新聞「社会の多様性によりそう皇室に」

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日経新聞は「新天皇陛下 即位 令和始まる」として、新天皇皇后両陛下の写真を大きく掲載した。

1面では井口哲也編集局長の「新しい日本を創ろう」というコラムを掲載。平成は「過去の成功体験にとらわれ、やるべきことから目をそらしてきた不作為の時代」だったと指摘した。

そのうえで「成長を取り戻すため」に、自動化を中心に生産性を高めることが求められていると指摘。賃金増と経済拡大の好循環をつくる必要があると訴えた。

一方「令和のニッポン」と題した社説は、「社会の多様性によりそう皇室に」との見出し。新天皇陛下が「多様化」に触れていることを引きながら、おふたりの「令和流への歩みを見守りたい」とした。

そのうえで、朝日新聞同様、皇位継承の課題に言及。「政府は一刻も早く新たな有識者会議を開くなどして議論を前へ進める」べきだとして、課題が山積する令和の時代こそ、国民は多様で柔軟な皇室を待ち望んでいる、と結んだ。

産経新聞「新時代にふさわしい国家戦略を」

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産経新聞は「新天皇 御即位 令和幕開け」との見出しを掲げた1面で、退位の礼の写真を大きく掲載した。メインは新天皇陛下だ。

「令和に寄せて」として、櫻井よしこさんの「麗しき大和の国柄を守れ」というコラムを掲載。その書き出しは、「日本よ、麗しき善き大和国であれとの願いを込めた『令和』の時代が始まった」と呼びかける形だ。

昭和天皇が受けられたという帝王学に触れる内容が主で、上皇さまに関しては、皇太子時代にアメリカ人の家庭教師をつけられた背景に「米国の意図が見えないか」などと指摘している。

「主張」の欄では、乾正人論説委員長名の「新時代にふさわしい国家戦略を」を掲載。「敗北責任は昭和世代に」などと記し、「衰退の責任は、私を含めた『昭和世代』にある」とも述べている。

そのうえでアメリカや中国のような国家戦略が必要だと指摘し、「かつてない少子高齢化時代や厳しい国際情勢」を乗り越えるべく、「国会で大議論を始めよう」と呼びかけた。

Contact Kota Hatachi at kota.hatachi@buzzfeed.com.

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