辞任する安倍首相が「次の総理大臣」について語ったこと、語らなかったこと
8月24日には、これまで歴代最長だった佐藤栄作元首相の2798日の記録を塗り替えたばかりだった。安倍首相は、臨時代理は置かず、次の首相(自民党総裁)が決まるまで執務にあたるという。新しい総裁については、党員を含んだ通常の自民党総裁選ではなく、両院議員総会による選出になると報じられている。
安倍晋三首相が8月28日、自らの持病の再発を理由に総理大臣を辞任すると明らかにした。

8月24日には、これまで歴代最長だった佐藤栄作元首相の2798日の記録を塗り替えたばかりだった。
第一次内閣との通算日数では、2019年11月に歴代最長の桂太郎元首相(2886日)を抜いている。
2000年代の日本の歴代内閣を写真でまとめると、以下のようになる。

第1次安倍内閣を皮切りに、第2次安倍政権が発足するまでの間。ほとんどの政権が約1年で入れ替わっていることがわかる。
2000年代に限ってみれば、小泉純一郎元首相の在任期間は1980日だったが、安倍首相は2017年5月にその記録を抜いている。
安倍首相は、臨時代理は置かず、次の首相(自民党総裁)が決まるまで執務にあたるという。会見ではこう語っている。
「次の総裁が決まるまでどれくらいかかるのかは、案を具体的に執行部が考えている。私の体調は、基本的にはその間は大丈夫だと思っている。長期ではないけれど、しっかりと選んでいただける。政策論争ができる時間はとれるだろう」
安倍首相は会見では選出への「影響力を行使すべきではない」とも述べているが、新しい総裁については、党員を含んだ通常の自民党総裁選ではなく、両院議員総会による選出になると報じられている。
自民党の党則で任期中の「特に緊急を要する時」に実施できると定められているルールだ。国会議員票に加え、都道府県連に票が割り当てられるが、党員を含む通常の総裁選よりも議員側の意向が反映しやすい。なお、次期総裁の任期は、安倍氏の本来の任期である2021年9月までとなる。
安倍首相は会見で、自ら次の首相候補者の具体的な名前をあげることはなかったが、「後継として名前の上がっている方々は、それぞれ有望な方々。内閣や与党で一緒に働いた。政策を競い合うなかで、素晴らしい方に決まっていくのだろう」と期待も示している。
そのうえで、「with コロナで新しい日常を作り出すなかで、それぞれの方々が未来を見据えて進んで行ける日本社会をつくっていってほしい」と語った。