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Updated on 2020年9月3日. Posted on 2020年8月28日

大坂なおみ選手めぐる報道、SNSでは「ミスリード」との指摘も。抗議で棄権の大会に出場へ

NHKなどの日本の一部メディアは「大坂なおみ 一転して出場へ」などと報じていた。大坂選手が意思を翻したかのように見えることから、SNS上では「ミスリード」であるとの指摘も広がっていた。

テニスの大坂なおみ選手が、黒人男性に対する銃撃事件への抗議の意思を示し出場を辞退していたウエスタン・アンド・サザン・オープン準決勝に、改めて出場することを決めた。

大会側が大坂選手の意思に賛同し、人種差別に抗議して大会を1日延期することなどを受けたもので、「抗議運動への注目をより集められる」ともしている。

英ガーディアンが報じた大阪選手の声明では、大会側と協議したことを明かし、「サポートに感謝します」と述べている。

AFP=時事

大坂選手は8月27日、自らの大会出場を辞退する意向をTwitterで発表した。

米ウィスコンシン州ケノーシャで8月23日、黒人男性が警察官に7発銃撃された事件に抗議し、「私はアスリートである前に黒人女性です。今は私がテニスをする様子を観るよりも、重要なことがあると思います」と日本語と英語で訴えた。

また、「(自分が出場しないことで)白人が多数を占めるスポーツで会話を始めることができれば、正しい方向への一歩だと思う」とコメントした。

大会側もこれを受け、「人種の不平等と社会の不公正に対抗する」ためとして、大会を延期する方針を示していた。

スポーツ界における同様の動きはバスケットボールのNBAや野球やサッカーのメジャーリーグなどにも広がっていた。

その後、大坂選手は大会側と協議。大会が差別への抗議として1日延期されたことを受け、28日の試合への参加を決めたという。

声明では「WTAや大会主催者のサポートに感謝したい」と述べ、さらに「抗議のムーブメントに対して、より多くの注目を集めることができる」との思いも示している。

日本メディアの報じ方に批判も

NHK / The Guardian

このニュースを、NHKなどの日本の一部メディアは「大坂なおみ 一転して出場へ」などと報じていた。

しかし前述の通り、今回の出場決定の背景には、大会側も大坂選手の意思に賛同して試合を延期したことにある。さらに協議を経たうえで、より抗議運動への注目を集められるとの思いもあると明らかにしている。

それだけに、「一転」という表現が、大坂選手が意思を翻したかのように見えることから、SNS上では「ミスリード」であるとの指摘も広がっていた。

また、あわせて「ボイコット」という表現についても、海外メディアの一部が「ストライキ」という表現を用いている点を指摘する声もあった。

なお、NHKの見出しは28日午前10時半ごろまでに「大会側の対応受けボイコットを撤回」と修正されている。

「アスリートである前に黒人女性」

AFP=時事

大坂選手はこれまでもSNSで「Black Lives Matter」への連帯を示し、繰り返される事件に抗議の意志を示してきた。8月27日にTwitterに投稿した文章は以下の通り(原文ママ)。

Hello, as many of you are aware I was scheduled to play my semifinals match tomorrow. However, before I am a athlete, I am a black woman. And as a black woman I feel as though there are much more important matters at hand that need immediate attention, rather than watching me play tennis. I don’t expect anything drastic to happen with me not playing, but if I can get a conversation started in a majority white sport I consider that a step in the right direction. Watching the continued genocide of Black people at the hand of the police is honestly making me sick to my stomach. I’m exhausted of having a new hashtag pop up every few days and I’m extremely tired of having this same conversation over and over again. When will it ever be enough?

こんにちは、皆さんの多くが知っているように、私は明日の準決勝の試合をする予定でした。

しかし、私はアスリートになる前に黒人女性です。また、黒人女性としては、テニスをしているのを見るよりも、すぐに気をつけなければならない重要な事柄があるように感じます。

私がプレーしていないときに何かが起こるとは思いませんが、大多数の白人スポーツの中で、会話を始めることができれば、正しい方向への一歩だと思います。

警察の手で黒人の虐殺が続いているのを見守る。いうまでもないことですが、黒人に起こった権利剥奪、全身性人種差別、そのほかの数え切れないほどの怪物は、私の胃を病気にさせます。

数日おきに、新しいハッシュタグが表示されるのに疲れて、何度も何度も同じ会話をするのに非常に疲れています。いつ十分になるのでしょうか?

声明の最後には、ジェイコブ・ブレークさんをはじめ、これまで警察による暴力で被害を受けた黒人たち、ブリアンナ・テイラーさん、イライジャ・マクレインさん、ジョージ・フロイドさんの名前が記されていた。


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