内閣府のサイトにあふれるヘイトや誹謗中傷 担当者は「びっくりしている」

    国民の意見として掲載されているが…

    内閣府大臣官房政府広報室が運営する「国政モニター」のサイトに、在日コリアンへのヘイトや、特定の人物に対する誹謗中傷とも受け止められかねないコメントが投稿され、放置されている。

    中には「在日韓国人は叩き出せ」などといった過激なものや、政治家に対して「処刑」を呼びかけるもある。

    こうしたコメントが「国民の意見」として公表されている状況を取り上げたブログがネット上で注目され、Twitterでは「信じられない」「ひどすぎる」などとの指摘も多く挙がっている。

    まず、経緯を振り返る

    そもそも「国政モニター」とは、「国の重要施策に関して、国民の皆さまからご意見、ご要望などを聴取し、国の行政施策の企画、立案及び実施のための参考とすることを目的」(サイトより)とした制度だ。

    内閣府広報室によると、インターネット上での意見募集と公表が始まったのは2012年度から。2017年から休止しており、計5年にわたって続いていたこととなる。

    「行政施策以外の政治関係や誹謗中傷などのご意見を除き、全てのご意見は、ほぼ毎日公開」(同)されているといい、行政改革から危機管理・防災、外交、労働、東日本大震災まで、多岐にわたる分野の意見が寄せられている。

    溢れるヘイトコメント

    問題は、今回注目されているそのコメント内容だ。差別的だったり、誹謗中傷をしたりしている「ヘイト」とも取られかねないコメントがそのまま掲載されている。

    特に散見されるのは、在日コリアンに対する批判や誹謗中傷ともとれる言葉たちだ。

    • 沖縄の基地反対は中韓人ばかりというようなことを招かない様、断固として本国送還すべし。(平成29年2月分
    • 「韓国との国交は無くし、在日、帰化人の強制退去が必要ではないでしょうか」(平成29年2月分
    • 「のうのうと1100万円も得ている在日韓国人は叩き出せ」(平成29年2月分

    また、特定の政治家らの名前を出し、「無能」「処刑すべき」などと言及しているコメントもみられる。

    • 「鳩山元総理など、外患誘致罪で処刑にすべきではないだろうか?」(平成25年7月分
    • 「小池知事の独りよがりの大衆におもねった政策が心配です」「無能な指導者をいただいた都民、否国民が不幸せです」(平成28年12月分
    • 「日本は中国の前に在日朝鮮人に牛耳られている。大問題。竹中平蔵氏など在日企業の息の者は即刻排除するべき」(平成26年度分


    担当者は「確認中」

    サイト上にはこうした多くのコメントが、「国民からの意見・要望」として残されている(2018年5月1日正午現在)。

    「国政モニター」の留意事項には、「立法・司法・政治関係のご意見や、誹謗中傷、差別的な内容」などは掲載しないとされているが、そうしたルールに反していると思われるものが、なぜ残されているのか。

    内閣府広報室はBuzzFeed Newsの取材に、すでにネット上で指摘があがっていることを把握している、と認めた。担当者は「びっくりしている。事実を確認中」と答えた。

    また、2017年度から休止している理由は「そのほかホームページ上で広くご意見を伺うところがある」こと、と説明した。

    詳しい運用方法などについて同室に問い合わせをしており、回答があり次第、追記する。

    UPDATE

    この問題に関して、BuzzFeed Newsでは【内閣府サイト、公開中止に ヘイトや誹謗中傷を放置も「複数の目を通していた」】という続報を配信しています。