「戦争しないとどうしようもなくないですか?」維新の丸山議員、除名処分に。松井代表は「辞職すべき」

    丸山議員の発言は倫理的な面だけではなく、政府がこれまで戦後一貫してきた「北方領土をソ連が不法占有している」という主張を崩しかねないという問題もはらんでいる。さらに、ロシア側の反発を招くおそれがある。

    ビザなし交流で元島民とともに北方四島を訪問した日本維新の会の丸山穂高衆議院議員(大阪19区)の「戦争でこの島を取り返す」発言。

    丸山議員は3年前にも飲酒で暴行トラブルを起こし、「禁酒宣言」をしていた。それなのに飲酒した様子で問題のある発言をしたことや、沖縄北方問題特別委員会の委員を務めていたことから、各方面から批判が集まっている。

    時事通信

    発言があったのは5月11日夜、国後島の「友好の家」での懇談中。

    報道されている音声によると、丸山議員は元島民でビザなし交流訪問団長の大塚小彌太さん(89)に、以下のように発言した。

    丸山議員「団長は、その戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」

    大塚さん「戦争で?」

    丸山議員「だから、ロシアが混乱しているときに、取り返すのはOKですか」

    大塚さん「いや、戦争なんて言葉は使いたくないです。使いたくない」

    丸山議員「でも取り返せないですよね」

    大塚さん「いや、戦争したって、戦争するべきではない」

    丸山議員「戦争しないとどうしようもなくないですか」

    大塚さん「戦争は必要ないです」

    発言がはらむ3つの問題点

    時事通信

    国後島の「友好の家」(2002年)

    大塚小彌太さんは国後島出身の89歳。終戦時は単純計算で15歳だ。

    島には当時7364人が暮らしていたが、ソ連軍が兵力を持って上陸し、占領。住民は退去させられた。大塚さんは、当時の記憶を持つ当事者だと言える。

    丸山議員の発言は倫理的な面だけではなく、政府がこれまで戦後一貫してきた「北方領土をソ連が不法占有している」という主張を崩しかねないという問題もはらんでいる。

    なぜなら北方領土は、ソ連が「戦争に勝って占領した戦利品」ではなく、あくまで「不法占拠している」というのが日本の立場だからだ。外務省のホームページには、以下の通りに記されている。

    当時まだ有効であった日ソ中立条約を無視して1945年8月9日に対日参戦したソ連は、日本のポツダム宣言受諾後も攻撃を続け、同8月28日から9月5日までの間に、北方四島を不法占領しました(なお、これら四島の占領の際、日本軍は抵抗せず、占領は完全に無血で行われました)。

    また、領土交渉などの交渉が進んでいるロシア側の反発を招きかねないという危険性もある。実際、ロシア上院幹部も「挑発的な発言」と批判した。

    過去に飲酒暴行も

    発言した際、丸山議員は酒を飲んでいた様子だったという。

    朝日新聞によると、その後も、大声で議論を続け、禁止されているにもかかわらず、敷地外から出ようとしたという。

    実は丸山議員は3年前に、「議員在職中に一切酒を口にしない」と宣言している。

    2016年1月、飲酒した後に男性とけんかとなり、相手の手を噛むトラブルを起こしたからだ。この際は丸山議員自身も足の骨にひびが入るけがを負ったといい、男性とは和解したという。

    この件を受け、「禁酒宣誓書」を当時の「おおさか維新の会」に提出したという。実際、当時このようなツイートをしている。

    丸山穂高です。先日の不始末について猛省と自重の決意の証として自主的に、禁酒宣誓書を今井幹事長へ提出してまいりました。あらゆるトラブルを予防するため、今後の議員在職中において公私一切酒を口に致しません。32にもなって汗顔の至りでございますが、未だ至らぬ自らを刻苦精励してまいります。

    丸山議員は13日夜、「極めて不適切な発言」として、島民や国民に対し「ご不快な思いをさせてしまった」として謝罪し、発言を撤回。

    「国益を損ねかねない状況になれば、真意ではないい」とも述べた。議員辞職するかについては「党と相談し、決めていきたい」としている。

    日本維新の会・松井一郎代表は「党として一切そういう考えはない。武力で領土を取り返す解決はない」としている。また、「辞職すべきだ。本来は自身ですぐに責任をとるべきだ」とも述べた。

    一方、菅義偉官房長官も「誠に遺憾」としたうえで、「政府の立場と全く異なり、日ロ交渉に影響を与えるとは考えていない」と指摘した。

    丸山議員は14日午前、離党届を提出したという。一方、日本維新の会は14日午後に党紀委員会を開き、届けを受理せず、最も重い除名処分を下すことを決めた

    UPDATE

    松井一郎代表の発言などを追記しました。

    UPDATE

    除名処分の部分を更新しました。


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