京アニが、世界中のファンに6ヶ国語で伝えたこと【全文】

    事件をめぐっては、Twitter上でハッシュタグ「#PrayForKyoani」が生まれ、世界中のファンがさまざな想いを書き込んだ。さらにクラウドファンディングなどを通じて、各国から寄付も集まった。

    京都アニメーションの第1スタジオが放火され35人が死亡した事件。大勢のスタッフの命だけではなく、これまでの作品に関する資料も失われた。

    事件をめぐっては、Twitter上でハッシュタグ「#PrayForKyoani」が生まれ、世界中のファンがさまざな想いを書き込んだ。さらにクラウドファンディングなどを通じて、各国から寄付も集まった。

    これに対し、同社の八田英明社長は7月29日夜、「世界中のみなさまへ」として、これまで日本語で発表していたメッセージの英語、中国語(簡体字・繁体字)、ハングル、さらにドイツ語版をホームページに掲載した。

    ハッシュタグ「#PrayForKyoani」は、事件が報じられたその日に誕生。

    日本語、英語、韓国語、中国語、スペイン語、ポルトガル語など、各国から寄せられたのは、以下のようなメッセージだった。

    「アニメファンは喪に服している」「従業員たちが無事であることを祈っています」「祈ることしかできない」「とても悲しい日」「アニメにとって大きな損失だ」「一人でも多く助かりますように」「京アニが世界にもっと笑顔を与えることができるようになることを願っています」

    なかには作品の1シーンを取り上げたり、自作のイラストをアップしている人もいた。

    また、アメリカのアニメ配給会社が開いたクラウドファンディングには、28日までに約2億5千万円が集まった。その数、6万7千人。Adobe社が5万ドルを寄付していたことから、注目も集めた。

    さらに同社が開いた寄付口座にも2日で3万人から6億円以上の支援が集まったという。そうした支援の輪は、今も広がりを見せている。

    八田社長は報道各社に向け、「みなさんの想いは暗闇に立ち向かっている私たちにとって、かけがえのない縁(よすが)です」「今暫く、時間をください」などと、その心の内を発表していた。

    日本語版の全文は以下の通り。

    未曾有の出来事により、かけがえのない仲間たちが傷つき、命を奪われました。

    報道で世界中、信じられないほど多くの人たちが、私たちに想いを寄せて下さっていることを知りました。

    皆さんの想いは、今、暗闇に立ち向かっている私たちにとって、かけがえのない縁(よすが)です。

    今、この瞬間も病院で苦しみ、精一杯生きようとしている仲間たちがいます。家族の命を奪われ、哀しみのただ中にいる方々がいます。

    今暫く、時間をください。

    京都アニメーションは、これからも世界中の人たちに夢と希望と感動を育むアニメーションを届け、社員、スタッフの幸せを実現し、社会と地域に貢献していくため、手を差し伸べて下さる方々とともに、必死に戦っていきます。