宇宙作戦隊ロゴ「KOKU-JIEITAI」とローマ字表記。「ダサい」「日本らしい」と物議、自衛隊の狙いは?

    宇宙作戦隊は、地球周回軌道を漂うスペースデブリなどの監視に当たる部隊として、5月に府中基地に新設されました。シンボルマークには「KOKU-JIEITAI」とローマ字で記されており、「かっこいい」「ダサい」「新しい」「日本らしくて好き」などと様々な意見が飛び交いました。

    宇宙空間を監視するため、航空自衛隊に新たに創設された「宇宙作戦隊」。

    そのシンボルマークが7月末に公表され、話題を呼びました。「KOKU-JIEITAI」とローマ字表記されていたからです。

    いったい、なぜ英語名称の「Japan Self Defense Force」ではなかったのでしょうか。防衛省の航空幕僚監部に取材しました。

    時事通信

    宇宙作戦隊は、地球周回軌道を漂うスペースデブリ(役目を終えた人工衛星やその破片などの宇宙ゴミ)などの監視に当たる部隊として、5月に府中基地に新設されました。

    日本における「宇宙利用の優位を確保する」狙いもあるといい、まずは20人体勢で、本格運用に向けた準備を進めています。そのシンボルマークには、以下のような意味が込められています。

    • 正面の十字は、宇宙を象徴する「星」をイメージ
    • 地球及び衛星軌道は、常続不断の監視をイメージ  
    • 6つの丸は、防衛省初となる宇宙監視専用レーダーを意味
    • 合計20個の星は、2020年に部隊を新編したことを意味


    特にネット上で注目を集めたのは、その表記。「KOKU-JIEITAI」とローマ字で記されており、「かっこいい」「ダサい」「新しい」「日本らしくて好き」などと様々な意見が飛び交いました。

    前提として、日本の自衛隊は軍隊ではなく、あくまで自衛のための組織。例えば英語では「Air-Force」(空軍)という言葉では表現できないため、「Japan Self Defense Force」(自衛隊)や「Air Self Defense Force」(航空自衛隊)という名称のはずですが……。

    BuzzFeed Newsが航空幕僚監部広報室に8月上旬に問い合わせ、31日に得た回答によると、そもそもこの「KOKU-JIEITAI」が使われるようになったのは、2016年から。当時の幕僚長の発案で、「親近感を持ってもらえるように」使われるようになったといいます。

    「各国との信頼関係を築く手段のひとつとして、日本各国との防衛交流上の書簡などにアルファベットで『KOKU-JIEITAI』と、『Japan Self Diffence forece』をあわせて表記して記すようになりました」

    「署名欄においても、アルファベットで記載しています。また、交流上で送られるワッペンや盾、コインなどでもアルファベット表記が使われています」

    各国に浸透している「KOKU-JIEITAI」

    時事通信

    英語版の公式Twitterでもやはり、「KOKU-JIEITAI」という名称を多く使っています。4年が経ち、その認知は広がっているようです。担当者はこう語ります。

    「いまではアメリカ、イタリア、ニュージーランドからはレターの中で『KOKU-JIEITAI』と呼ばれるようにもなっているんです」

    河野太郎防衛相も「各国の空軍は既にKOKU-JIEITAIと呼んでくれるようになっています。Coke-Jet-Tieだと思っている相手も多いようですが」とツイートしています。

    一方で、宇宙作戦隊のように、部隊の公式のマークに使われたのは、今回が初めてだといいます。なぜ、マークでもローマ字表記を導入したのでしょうか?担当者はこう回答しました。

    「宇宙作戦隊の任務では、アメリカをはじめ諸外国との連携が欠かせません。各国関係者に、宇宙作戦隊に親近感をいだいていただくために表記をしました」

    あくまで「親近感」を強調していますが、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という憲法9条第2項の規定から、英語では単なる「Force」(軍隊)ではなく、「Self Defence Force」と位置づける自衛隊ならではの葛藤や工夫が感じられるエピソード。

    これから「KOKU-JIEITAI」を目にする機会はより増えていくかもしれません。


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