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史上初の米朝会談、海外メディアの報じ方を比べてみると…

批判一色、というわけではない。

史上初の米朝首脳会談から一夜。米中韓のメディアは、その内容をどう報じたのか。

Jonathan Ernst / Reuters

韓国最大手紙・朝鮮日報は【トランプ大統領、非核化を語らない金正恩氏に「韓米合同軍事演習中断」をプレゼント】と厳しい論調だ。

Handout / Reuters

同紙は会談前、「完全かつ検証可能、不可逆的な非核化(CVID)」がないと「米朝首脳会談の意味なし」とまで言い切っていた。

今回の合意内容はCVIDに触れていない。別の記事でも、会談については「米国は非核化の具体的・可視的進展がない」と指摘した。

それにもかかわらず米韓合同軍事演習の中止に触れたトランプ大統領が「北朝鮮の立場」に立ったとして、こう批判している。

北朝鮮抑止に絶対必要と考えられてきた韓米合同軍事演習について、トランプ大統領自ら北朝鮮の立場から「費用がかかるだけの挑発的行為」と見なしたのだ。

中央日報も【米朝 70年の敵対を乗り越えた日に韓国は「トランプショック」】と批判的だ。

Jonathan Ernst / Reuters

「両首脳はいつどのように核を廃棄して検証するのかについて何も合意しなかった」と指摘。

CVIDへの言及がなかったことを「韓国としては残念でならない」、米韓合同軍事演習についても「大きな衝撃が避けられない」と批判した。

また、識者6人の見解をまとめた記事は、総括として「歴史的な第一歩は踏み出したが、非核化の解決法では期待に及ばなかった」とまとめた。

その記事で、北朝鮮の核問題を巡る6者協議の韓国首席代表を務めた千英宇理事長はこうも評している。

北は国際的な地位を確保し、体制に対する正当性が認められた半面、米国は何を得たのかが明確でない。

ハンギョレ新聞は【CVIDないが…トランプ大統領「信頼できなければ署名しなかっただろう」】と好意的な見出しをつけている。

Kcna / Reuters

保守系メディアと呼ばれる朝鮮日報、中央日報と異なってリベラルな論調で知られる同紙。

今回の合意内容を「自発的非核化」と評し、「『性悪説』から『性善説』へのパラダイム転換」と好意的な見方を示した。

また、トランプ大統領が触れた米韓合同軍事演習の中止についても「終戦宣言に向かう朝米」として、楽観的に受け止めている。

朝米が新しい関係構築と非核化および平和体制構築のための本格的な対話を始めただけに、北朝鮮と友好的雰囲気を維持し、国防予算削減などの経済的利益も確保するという意向を明らかにした

一方、アメリカメディアは批判が中心だ。ニューヨークタイムズは【なぜ、米朝会談はこれまででもっともトランプらしい(Trumpist)ものだったのか】と、皮肉を交えて記している。

Jonathan Ernst / Reuters

この社説では、記者会見でトランプ大統領が金委員長の「残虐行為」について問われ、「才能がある人物」と称賛したことにも言及。

残虐行為を「グッド・ディール(良い取引)のための妨げにすべきでない、と捉えているにすぎないのだ」とその姿勢を批判した。

また他の記事では、米韓合同軍事演習の中止に触れたことを「譲歩」と指摘。CVIDに言及しなかった合意文書について痛烈に批判している。

過去20年の間、北朝鮮との交渉に用いた文書を再利用した外交用語でつくられた、1ページ半だった。

中国・環球時報は【「戦争ゲーム」の終結は、朝鮮半島の大きな前進となるだろう】と好意的な受け止めを見せている。

Kim Hong-ji / Reuters

共産党機関紙・人民日報系列の同紙は、トランプ大統領が会見で使った「War Game」という言葉を見出しに用いて、米韓合同軍事演習が中止されることが「大きな前進」になると評価した。

そのうえで、「この政治的プロセスが前に進んでいけば、地域全体が利益を得ることになる」とも指摘。「西側のメディアはトランプ大統領が何も受け取らなかったと批判している」と、その論調に冷たい眼差しを向けた。

さらに、2人をこうも持ち上げている。

トランプ氏と金氏は、歴史を作り上げる機会を持っている。もしトランプ氏が朝鮮半島の完全な非核化を実現できたとすれば、金氏が北朝鮮に繁栄をもたらすことができれば、両国にとって大きな功績となるだろう

Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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