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「在日コリアンというだけで…」川崎のヘイトクライム、弁護士らが声明。政府に緊急対策を求め

「ふれあい館」に送りつけられた脅迫文書は、「日本人ヘイトを許さない会」を名乗り、館長宛てだった。同日付で神奈川県警川崎臨港署に脅迫罪で刑事告訴し、受理された。この施設には2020年にも、在日コリアンの「虐殺を宣言」する年賀状が送りつけられている。

川崎市にある多文化交流施設「ふれあい館」に在日コリアンの殺害をほのめかす脅迫文書が届いていたヘイトクライムをめぐり、弁護士などでつくる「外国人人権法連絡会」が3月31日、政府に対策を求める声明を発表した。

施設に送りつけられた脅迫文書は、「日本人ヘイトを許さない会」を名乗り、館長宛てだった。同日付で神奈川県警川崎臨港署に脅迫罪で刑事告訴し、受理された。

この施設には2020年にも、在日コリアンの「虐殺を宣言」する年賀状が送りつけられ、送り主だった川崎市の元職員の男(70)が威力業務妨害の罪で懲役1年の実刑判決を受け、確定している。

(*この記事には差別的な文言が直接、含まれます。閲覧にはご注意ください)

Kota Hatachi / BuzzFeed

「川崎市ふれあい館」に、封筒が送付されていたのは3月18日のこと。

同館の館長に宛てたもので、消印は3月15日付、東京都足立区内のものだった。文書が印字された、四つ折りのA4用紙が入っていた。

実在しないとみられる「日本人ヘイトを許さない会」を名乗り、同じ姓の男女とみられる2人の名前が記されていた。内容は、以下のようなものだ。

朝鮮人豚ども根絶やし最大の天罰が下るのを願ってるコロナ入り残りカスでも食ってろ自ら死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね殺ろ」

「死ね」という単語は14回にわたり記され、最後には殺意をほのめかす「殺ろ」という言葉がある。そのほか、「祖国に帰れ」「日本から出ていけ」などというヘイトスピーチや、在日コリアンに対する複数の差別・侮蔑表現が多く羅列されていた。

また、開封済みの菓子の空き袋(「鉄+コラーゲン」と記されたもの)が同封されていた。手紙には「コロナ入り残りカス」と記されていたことから、実際にウイルスが付着しているか、警察側が調べるとしている。

同館の館長は、在日コリアン3世の崔江以子さんだ。現在、防刃ベストを着用し、生活するようになっているという。

警察に提出した陳述書では「自分は一生このように攻撃され、いつ誰にどこで刺されるかわからない、もう嫌だ、と絶望的な気持ちになりました」と記している。

「恐怖をもたらしている」

Kota Hatachi / BuzzFeed

「外国人人権法連絡会」は3月31日に出した「止まらぬヘイトクライムを非難、政府に緊急対策を求める声明」で、まず昨年の「年賀状事件」に言及。

加害者に有罪判決が出てわずか3ヶ月で今回の犯行が起きたことについて、「本件は単なる一般の犯罪にとどまらない、差別的動機に基づくヘイトクライムである」と、強く非難した。

「属性を理由とする犯罪であることから、同じ在日コリアンという共通の属性を有する人たちにも同様の恐怖をもたらしている。このようなヘイトクライムを放置すれば、在日コリアンというだけで攻撃されても仕方がないとの雰囲気が社会に蔓延し、さらなる差別、暴力、ついにはジェノサイドや戦争につながることは歴史が示しており、決して許してはならない」

さらに声明では、「ヘイトクライム対策は人種差別撤廃条約上の義務」とし、同条約に1995年に加入している日本政府に対し、国連人種差別撤廃委員会が2001年以降4回にわたりヘイトクライム対策を勧告していることにも言及。政府が特段の対策をとっていないことを批判し、日本社会の現状をこう訴えた。

「路上では現在も差別主義団体が闊歩し、インターネット上には毎秒のように差別的な書き込みがなされている。日本社会には差別が蔓延し、コリアンが街中で民族の言葉、名前を表現したり、民族衣装を着ることを避けなければならないほど危険な段階に達している」

そのうえで、「政府は無策のまま、今回のヘイトクライムを許した」とし、人種差別撤廃条約などに則り、「ヘイトクライムを特別な対策が必要な問題として認め、実際に止めるために対策をとることを宣言すること」を求め、以下のように結んだ。

「被害者を孤立させず、誰もが差別と暴力に怯えずに暮らすことができる共生社会をつくるべく、1人1人が沈黙することなく、『ヘイトクライムを許さない』との声をあげ、国に対策をとることを求めるよう強く呼び掛ける」

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