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2018年12月19日

えっ…日本人の生産性低すぎ…? 47年連続G7で最下位に、その理由は

アメリカの3分の2の生産性。OECD加盟国でも20位だ。

日本人の2017年の労働生産性が47年連続、主要先進7カ国(G7)で最下位だったことがわかった。公益財団法人・日本生産性本部が12月19日、発表した。

アメリカと比べると3分の2程度しかない。いったいなぜ、日本人の生産性はここまで低いのだろうか。

年々上昇しているけれど…

日本生産性本部

そもそも生産性とは、労働者一人あたりが生み出す成果や1時間で生み出す成果を指標化したもの。

付加価値や生産額を、労働者数や総労働時間(日本の場合はパートも含む)で割る。購買力平価という国際的な値を用いて円ドルを換算している。

日本生産性本部の発表によると、OECD加盟36カ国でみると、2017年の日本人の労働生産性は時間当たりが4733円で20位、1人当たりが837万円で21位だった。

時間当たりは名目ベースでは前年より1.4%上昇しており、過去最高を記録している。しかし他国も同様に上昇傾向にあり、その差が縮まったとは言えない。

日本生産性本部

1位のアイルランド(時間当たり9710円)や2位のルクセンブルク(同9430円)は突出している。Google、Apple、Facebook、Amazonを指す「GAFA」の欧州法人が集まっていることや、法人税の低さなどが影響しているという。

6位だったアメリカは時間当たりが7169円、一人当たりは1266万円だった。

日本の生産性は1990年にはアメリカの4分の3まで迫っていたが、2000年大に7割前後に低下、10年代は3分の2まで落ち込んでいる。

なんで、そんなに低いの…?

日本生産性本部の上席研究員、木内康裕さんはBuzzFeed Newsの取材に対し、日本の問題点をこう指摘する。

「そもそも生産性が高かった製造業の低下が、大きな要因になっています」

日本の製造業の生産性は1995年には1位だったが、2000年代から急激に低下。05年は8位、16年には15位までに落ち込んだ。

日本生産性本部

これは「中国などのアジア諸国との低価格競争に巻き込まれた」ことが原因だという。木内さんは、続ける。

「ただ、それ以上に問題なのがサービス業です。アメリカの半分程度と、大きな格差が生じています」

高い品質のサービスの「安売り」

このグラフは、アメリカを100とした場合の産業別の生産性だ。

「運輸・郵便」や「宿泊・飲食」「情報・通信」「卸売・小売」などの低さが際立つことがわかる。

日本生産性本部

※日本生産性本部「産業別労働生産性水準(2015年)の国際比較」(2018年4月)
「国民経済計算年次推計」(内閣府)・オランダ「EU-KLEMSデータベース」などをもとに滝澤美帆・東洋大学教授作成

ドイツやイギリスと比べても、3分の2程度にすぎない。要因のひとつは人手不足だが、それ以上に「安売り」が課題という。

「日本のサービス業はその質の割に低価格になっています。すごく効率をあげる、というよりも高い品質のサービスを安売りせず、価格をうまく設定することが大切になります」

実際、宅配大手のヤマト運輸は2017年10月に値上げに踏み切り、話題を呼んだ。こうした例が増えていけば、生産性を高めるだけではなく、賃金アップにもつながっていくという。

「生産性を向上させることは、賃金の向上、さらには持続的な経済成長にもつながります。一方就業人口の減少が見込まれるなかで向上ができなければ、経済規模は縮小せざるを得なくなるんです」

IoT導入にも「限界」

ただ、変化はそう簡単には訪れない。大手企業ではうまく改善できているところも少なくはないというが、中小企業まではなかなか行き渡らないという。

国内・地域別の生産性は以下のグラフの通りで、大企業の多い大都市圏のほうが生産性が高い傾向も見えてくる。

日本生産性本部

政府は、IoT技術の導入、AIやロボティクスなどによる生産性向上をうたう。もちろんそれによる改善も期待ができるが、木内さんは「限界がある」ともいう。

「諸外国に比べ、従業員個人の生産性が劣っていることはないはず。ただ、付加価値が生まれていない労働が多い現実もあります。こうした点は、意識を変えれば変わっていくはずです」

「たとえば、会議では付加価値は生まれませんよね。社内の会議のために命をかけて資料をつくる必要はない。早帰りすると白い目でみられるからと20時まで仕事してしまうことも、生産性を下げることにつながります」

さらに、せっかく新たな技術を導入しても、「使い方」によっては効率が上がらないことも多い。

「怠けていたわけではなくても、ついつい、いままでと同じ働き方をしてしまっていることが少なくない。ヒアリングでも、そうした企業のお話をよく聞きます」

生産性をあげる「チェックリスト」

Kota Hatachi / BuzzFeed

木内さん

「意識を変えれば、変わる余地があるんです」と、木内さんは言葉に力を込める。

実際、長時間労働を抑制する「働き方改革」が、結果的に生産性の向上に寄与しているという。

そのうえで、生産性をあげるために以下の「チェックリスト」を教えてくれた。

  • 対価が見込めない業務を多くしていませんか?(宅配便の無料再配達、過剰なアフターサービス、早朝・深夜帯の営業など)
  • 付き合いで低採算の仕事でも引き受けたりしていませんか?
  • ホワイトカラーでも、社内調整や会議に時間を多く割いていませんか?
  • 社内の会議資料などのクオリティを上げるために必要以上の時間をかけていませんか?
  • 残業を見越した一日の業務配分で仕事をしていませんか?
  • 他人の目を気にして早帰りできても遠慮していませんか?
  • ITや新しいシステムを入れても、今までどおりの仕事の仕方をしていませんか?


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【日時】2018年12月20日(木)午後11時〜

【配信先】こちらのページで配信します。

【ゲスト】たられば(編集者)、市原えつこ(メディアアーティスト)

【MC】ハヤカワ五味(経営者)、大島由香里(フリーアナウンサー)

番組の感想や意見は、Twitterのハッシュタグ「#社長に届け」で募集しています!

(サムネイル:iStock / Getty Images Plus / BuzzFeed)

Contact Kota Hatachi at kota.hatachi@buzzfeed.com.

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