安倍首相「獣医学部いいね」 加計問題の新文書、新聞の報じ方はこんなに違う

    問題が再燃しているが…

    愛媛県が国会に提出した新たな資料が波紋を広げている。

    BuzzFeed

    加計学園の獣医学部新設をめぐり、5月21日に愛媛県が国会に提出した新文書。

    安倍晋三首相が2015年2月に加計孝太郎理事長と面会し、「新しい獣医学部の考えはいいね」などとコメントした、と記されていた。

    これまで安倍首相は「2017年1月20日」に獣医学部新設を知ったと繰り返し答弁しており、その矛盾が明らかになった格好だ。

    ただ、首相も学園側も、この事実を否定している。果たして新聞各紙はどう伝えたのか。

    朝日新聞【新文書 浮かぶ官邸主導】

    朝日新聞

    朝日新聞は1面トップで大きく展開。「国会関係者」から独自に入手したという文書の写真とともに、経緯を事細かに説明。

    2面では丸一面を使って新文書を詳細に分析。柳瀬唯夫・元首相秘書官の記載にも触れながら、「首相を含む首相官邸幹部らが早い段階から何度も学園側とやり取りを重ねていた経緯が読み取れる」とした。

    首相答弁との矛盾があることについては、1面と2面で見出しを立て、「あらためて説明を求められそうだ」などと言及している。

    記者の解説記事では「国会は今後、その内容に基づいて政府側の説明との矛盾や、事実関係について究明する責任がある」などと厳しく指摘したほか、社会面ではほぼ全面を使い、新文書の要旨も掲載した。

    読売新聞【首相説明と食い違い】

    読売新聞

    読売新聞も朝日より小ぶりではあるものの、1面で3段の見出しを立てた。

    新文書が首相答弁と異なっていることについては「矛盾」という言葉を用いずに言及。ただ、「報道各社の首相動静の記事では、面会は報じられていない」などとしている。

    一方、社会面では「文書の内容は首相のこれまでの説明と食い違っており、野党は追及姿勢を強めている」と触れたが、記事は3段とやはり朝日に比べ小ぶり。

    国会の究明責任を求めたり、新文書のほかの内容を詳細に分析したりはせず、辻元清美・立憲民主党国会対策委員長と二階俊博・自民党幹事長のコメントを引くにとどめている。

    毎日新聞【国会答弁揺らぐ】

    毎日新聞

    1面トップ、写真2枚を使って報じた毎日新聞は朝日、読売両紙よりさらに強いトーンで、【「獣医学部「首相『いいね』」】との見出しを立てた。

    文書の主な内容を表で紹介し、安倍首相のこれまでの答弁については、「事実と異なる答弁をしていた可能性がある」とまで言い切っている。

    2〜3面「クローズアップ」では「首相 問われる『矛盾』」「答弁では再三否定」との見出しで、「政権は過去の答弁との『矛盾』を問われる深刻な事態に陥りかねない」と、危機を強調した。

    新文書に書かれていたそのほかの内容も分析しているほか、要旨や各党の反応も掲載。社会面では中村時広・愛媛県知事の「1日も早く(疑惑を)クリアにしてほしい」というコメントも別原稿、3段見出しで掲載している。

    産経新聞【「首相が説明するしかない」】

    産経新聞

    産経新聞もやはり1面で展開。朝日、毎日よりは小ぶりだが、読売よりは大きく「新文書のポイント」を表付きで掲載している。

    野党が「首相答弁と矛盾するとして追及を強めている」としつつ、官邸での面談が確認できなかったことや、学園も事実を否定していることも前半で触れた。

    一方、2面では「新文書で政府危機感」と大きな見出しを立て、「政府・与党内には再び危機感が広がった」とした。「文書には不明朗な点もあり、政府関係者『首相が説明するしかない』と語っている」などと紹介した。

    そのうえで、文書に「会食の時期は書かれていないなど不可解な部分もある」などとその信頼性に疑問符を示し、「首相と愛媛県側の説明が求められる」と結んでいる。

    日経新聞【首相の説明 焦点に】

    日経新聞

    日経新聞も1面で4段見出しを立て、比較的大きく報じている。新文書については「日本経済新聞が入手した」と強調した。

    4面では、「安倍晋三首相がどう説明するかが焦点」と指摘し、「過去の首相答弁と矛盾する」と言及。各党の反応や中村知事のコメントを引いている。

    一方、社会面では、「国会答弁と相違目立つ」との見出しで、新文書がどのような内容だったのかに言及しながら、柳瀬元秘書感の発言などを含め、政府説明との「食い違う」点を改めて振り返った。

    全体的に淡々と事実を掲載しているなか、前文で唯一「何が真実なのか。矛盾がまた広がった」と強いトーンを見せていることが印象的だ。

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