日本の子育て政策に関する漫画が、Twitterで話題を呼んでいます。
主人公は「保育園に落ちた、働くお母さん」。

そこに「日本」がやってきました。幼児教育の無償化をうたいますが、話が噛み合いません。

さらに打ち出したのは、「子連れ出勤」です。

そして、「お母さん」の我慢は限界に…

漫画を描いたのは、野井湧水さん(@noynoyes)。
働きながら、1歳の子どもを育てているお母さんです。
漫画を描くきっかけになったのは、「子連れ出勤」を政府として後押しするという宮腰光寛少子化対策担当相の発言でした。
「疲労と睡魔と戦いながら悪戦苦闘しています。さらに保育園の通知待ちの状態で、今後の見通しがつかない不安な日々を過ごしていました」
「そんな時に少子化担当大臣の発言があり、『その前に保育園の整備と保育士の待遇を改善して!』と思わずにはいられませんでした」
待機児童問題をはじめ、保育施設の整備や保育士不足や低賃金など、問題は山積み。
そんな中で飛び出したこの発言に、子どもを実際に育てている母親などから怒りが噴出していました。野井さんも、そのひとりだったのです。
「SNSでもたくさんのお母さんが声を上げてくれていて、それに触発される形で漫画を描くに至りました」
漫画をツイートすると、一気に拡散。3万リツイートを超えています。
少子化対策と言いつつ保育園に落ちた母たちの嘆きはスルー。無償化、子連れ出勤支援…なんでそうなるのか。 #保育園落ちた #無償化より全入 #子連れ出勤 #育児漫画
政府や多くの政治家が少子化対策を掲げる一方で、現実的な具体案も出ないーー。そんな「日本」を擬人化した漫画は、多くの共感を呼んでいます。
「特定のモデルがいるわけではなく、政府の矛盾そのものをキャラクターにしています。当人は頑張ってるんだけど、ズレていて空回り……」
「子連れ出勤ができるのか、まずは議員さんが実践してみたら良いのではないでしょうか」
漫画は、子育てをする保護者や保育士に届けたいと思っているそうです。
「問題を解決する立場の方に読んでもらうのがいちばん手っ取り早いですが、まだ難しいと思うので、当事者の声を広げていきたいです」