話しかけてくれた女子高生に、私は救われた。”ヘルプマーク”をつけた女性に初めて起きたこと

もし、このマークを見かけたら…

みなさんは、ヘルプマークをご存知ですか？

時事通信

外からは分からなくても援助や配慮を必要とする「見えない障害」を抱える人たちが、そうした自身の状況を伝える、ひとつの手段です。

心臓機能障害などの内部障害や、言語障害、自閉症を抱えている人、義足や人工関節をつけている人、妊娠初期の人などに向け、東京都が2012年に作成し、徐々に全国に広がっています。

かばんなどに身につけている方に、声をかけたり、席を譲ったりする「思いやり」を求めるこのマーク。まだ認知が広がっているとは言い切れません。

そんな中、青森県に住むある女性が「初めて声をかけてもらった」と感動の声とツイートし、話題を呼んでいます。

新坂 時深 @FredMarks_

本日、青森駅で「何かお手伝いできることはありませんか？」とお声がけくださった女子高生らしきお方へ。 私がこのマークをつけはじめて数年経ちますが、初めて声をかけていただきました。 あなたのおかげで「ヘルプマークをつける意味」が、0から1になりました。 本当にありがとうございました……！ https://t.co/ej9tg3TIB1

08:36 AM - 02 Apr 2018

ツイートをしたのは、発達障害を抱える22歳の新坂時深さん（@FredMarks_）です。

Chachawal Prapai / Getty Images

自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)やADHDにより、いきなりの大きな音でパニックを起こしたり、動けなくなったりしてしまう症状があるといいます。また、両目に白内障も抱えています。

2年ほど前に東京で暮らしていたころからヘルプマークをつけていましたが、いままで声をかけられたことは一度もなく、「意味はない」とまで考えていたといいます。

また、青森に引っ越してからはマークをつけている人とも出会わず、「孤独感」すら抱えていたそうです。

そんな状況で初めて「何かお手伝いできることはありませんか」と声をかけてくれたのが、今回の女子高生だったのです。

Jiangang Wang / Getty Images

青森駅のホームで立っていた新坂さんに、そっと話しかけてくれた女子高生に、なんども御礼をしたといいます。

当時は特別な助けを必要とする状況ではなかったものの、話しかけられたことだけで「嬉しい、幸せ、ありがたいという気持ちでいっぱい」になったそうです。

「この方とお別れした後に、嬉しすぎてちょっと泣いちゃいました。それくらいもう本当に、あの行動に救っていただきました」

そんな新坂さんに、ヘルプマークを見かけたら、どうしたらいいでしょう？と聞くと、こう話しました。

Roberuto / Getty Images

「気持ちに余裕があって、声をかけられそうと思えたときに、『何かお手伝いできることはありますか？』とお声がけをいただけるのが、一番ありがたいです」

「たとえいま知ったこのマークのことを、いつか忘れていたり、知っていても声をかけられなかったりしても、気を落とさないでください。覚えている範囲、余裕のある範囲でそうしていただけることが、私にとっては幸せです」

たった一度の声がけでも、誰かの孤独を救うことができるかもしれません。みなさんはマークをみかけたら、どうしますか？

アップデート

Apr. 12, 2018, at 06:13 AM

表現を一部修正しました。