「銀行から融資を断られた」 先が見えない移転延期、築地市場の事業者の悲しみ

    ヒアリングでは、様々な本音が聞こえてきた。

    移転問題で揺れる築地市場。当事者たちは、何を思っているのだろうか。

    11月15日、豊洲市場の安全性などを検証するために小池百合子・東京都知事が設置した「市場問題プロジェクトチーム」による、市場関係者へのヒアリングが開かれた。

    ただ、事業者たちからは市場の「使い勝手」の話だけではなく、「移転するのかしないのか、はやく決めてほしい」という本音が漏れた。

    たとえばある仲卸組合役員の男性は、「移転計画が不透明で銀行融資が受けられない、リースが受けられないという業者がでてきている」と話す。

    飲食店協同組合の男性は「引っ越すのはいつなのか。先が見えないところでは計画が立てられない」。

    こう語る仲卸業者の女性もいた。「もし豊洲で何かがあれば、みんながダメになる。何も売れなくなる」

    小池百合子知事は、移転可否の判断を遅くとも2018年春までに出す、としている。設備投資の補填を議論する補償検討委員会も立ち上がったが、先行きは不透明だ。

    本来ならすでに開場していたはずの豊洲市場。使っていない間、1日あたりでかかるランニングコストは、500万円という。