フィンランドの国営放送が、大統領選(1月28日)の啓発のためにつくったアニメがSNSで話題を呼んでいます。なぜなら、日本語だから。
冒頭からインパクト抜群のタイトルカット。さらに日本の高校生風の人たちが出てきます。街並みはフィンランドだ。
「私は有権者の無関心」と自己紹介するモンスターが現れました。いかにも悪そうな顔をしている。
こいつの攻撃を浴びると、
みんな政治に関心がなくなってしまいます。民主主義の危機だ……。
すると!!刺客が現れました!!
誰??
誰??
そう。この人たち、大統領選の候補者なんです。
その後も、よく見慣れたとうふ店風の車が現れたり、
「民主主義」と書かれたロボットがでてきたりして、戦いは終盤へ。
「お前はもう、死んでいる」というセリフとともに、「続きは日曜日の大統領選で!」というテンションで動画は終わります。
国営放送がこれを作っているというのも驚きですが、そもそもなぜ、日本語のアニメなのでしょうか……。
駐日フィンランド大使館の広報担当者は、BuzzFeed Newsの取材にこう説明しました。
「国営放送の中にあるKioskiというグループが作成した動画です。彼らは10〜20代前半向けに、SNS配信を考えたコンテンツづくりをしており、軽いタッチで楽しみながら難しい問題だったり普段若い人が興味のない物事を知ってもらうことを目的に、活動しています」
「フィンランドでは2000年代前半に日本のアニメがブームとなり、いまの若い世代はジブリやドラゴンボール、ポケモンなどを見て育っています。そうした世代に訴えかけるために、このようなアニメを制作したそうです」
今回の動画は、2016年4月の地方選向けだった作品がリメイクされたもの。
担当者は「日本ほどではないけれども、フィンランドでも若い人が政治に興味を持たないという風潮があります」と話します。
1980〜2000年代までは80%を超えていた投票率は、昨今は70%台前後に落ち込んでおり、前回(2012年)は6割台に。こうした事情が、作品の背景にあるといいます。
制作しているのは、24歳のジャーナリスト・マッティ・リータコルピさん。大使館を通じて、「日本でもいっぱい見られているのはすごく嬉しい」とコメントしています。