• factcheckjp badge
Updated on 2020年4月13日. Posted on 2020年4月9日

緊急事態宣言後の国会「こんな時に野党が審議拒否」は誤り。「全くのフェイク」と批判も

発端となったのは、自民党の岡下昌平・衆議院議員(比例近畿)のツイートだ。自民党の杉田水脈衆議院議員(比例中国)やインフルエンサーが拡散し、一部のまとめサイトも同様のことを伝えている。

緊急事態宣言が発出されたあとの国会をめぐり、「こんな時に野党が審議拒否」という指摘がネット上に広がっている。

しかし、これは「誤り」だ。たしかに4月8、9両日の国会審議はされていないが、7日の緊急事態宣言を受け与野党の協議のうえ決まったことで、一方的な「審議拒否」ではない。

BuzzFeed Newsは、ファクトチェックを実施した。

Twitterより

発端となったのは、自民党の岡下昌平・衆議院議員(比例近畿)の以下のようなツイート(4月7日夕)だ。

「こんな時に野党の審議拒否…補正予算の中身をよく検討したいとの理由で明日、明後日の全ての委員会が審議ストップ…今こそ国会がしっかり働かなければならない重要な時期に色々理由はあると思うが審議拒否は今やるもんではないでしょ‼️明日の経産委員会で給付金等の質問を準備していたのに金曜に順延…」

このツイートは少なくとも4000近くのリツイート、5000以上のいいねされている。さらに、複数のインフルエンサーが引用し、拡散した。

たとえば、「相変わらず野党の審議拒否とは呆れる」(作家の門田隆将氏)「野党(維新を除く)は本当に要らない」(政治評論家の加藤清隆氏)「このままじゃ給料泥棒だな」(経済評論家の上念司氏)などとシェアされており、多くの批判的な反応が寄せられている。

また、自民党の杉田水脈衆議院議員(比例中国)も「と、いう訳で今日、明日の委員会が飛んでしまいました」とツイートを引用。これも大きく拡散し、「野党のヤツらは国賊です」などのリプライが寄せられている。

さらに、一部のまとめサイトは、岡田議員や杉田議員のツイートを引用し、記事を配信。直接引用はせずとも、野党が審議拒否をしているかのような見出しの記事を配信しているサイトもある。

岡下議員はツイートを削除

時事通信

緊急事態宣言発令から一夜明け、閑散とした国会内(4月8日)

しかしこれは、誤りだ。先述の通り、4月8、9両日の国会審議が実施されていなのは、7日の緊急事態宣言を受けたもの。与野党で協議の上に決まったことで、一方的な「審議拒否」ではない。

衆参両院の広報担当者もそれぞれ、BuzzFeed Newsの取材に対し「審議拒否ではなく、理事会での合意に基づいたもの」と回答している。

こうした情報が広がっていることを受け、国民民主党の原口一博衆議院議員も、Twitterで以下のように岡下議員のツイートを批判した。

「全くのフェイクですね」「緊急事態宣言を受けての措置です。与野党で合意して決めた事を嘘で野党を貶めるのは許し難い事です。審議拒否をいつしたのか自民党国対と相談の上、明らかにしてください」

岡下議員は、その後ツイートを削除しているが、理由などは記されていない。BuzzFeed Newsは事務所に経緯、見解などを取材している。回答があり次第、追記する。

なお、国会をめぐっては、3月に森雅子法務相の答弁内容をめぐり、野党側が審議を拒否。

新型コロナウイルス関連の特措法改正の審議に一時遅れが生じたことで批判もあがったが、その後の与野党の対応により、改正案自体は本来の予定通りに可決、成立している。


BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、以下のレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。なお、今回の対象言説は、FIJの共有システム「Claim Monitor」で覚知しました。

また、これまでBuzzFeed Japanが実施したファクトチェックや、関連記事はこちらからご覧ください。

  • 正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
  • ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
  • ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。


Contact Kota Hatachi at kota.hatachi@buzzfeed.com.

Got a confidential tip? Submit it here