「白ダウン姿のローマ教皇」とする虚偽画像が、Twitter上で拡散している。
英語、日本語の双方で広がりを見せ、100万インプレッションを獲得しているものもあるが、これは、AIで生成されたフェイク画像だ。
制作した人物はBuzzFeed Newsの取材に対し、「面白いもの」を作ろうとしただけであると悪意を否定。拡散には恐怖を感じたとも証言した。
AI生成のフェイク画像は、昨年からたびたび広がりを見せるようになっている。注意が必要だ。
白いダウン姿に身を包んだ86歳のローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の画像は、3月25〜26日にTwitter上で広く拡散している。
日本でも「白ダウンのローマ法王は渋いぜ、Bro」というツイートが110万以上のインプレッションを獲得。Twitterのユーザーがファクトチェックをする「コミュニティノート」の機能でも訂正情報が併せて広がりを見せているが、信じ込んで拡散しているユーザーは少なくない。
この画像は、テキストから画像生成できるAI「Midjourney」を用いて作成され、画像掲示板「Reddit」などに掲載されたのちに一気に広がった。
米BuzzFeed Newsの取材に応じた作成者は、中西部シカゴ周辺に住む31歳の建設労働者のパブロ氏。
攻撃を恐れ姓は明かさなかったが、「マジックマッシュルーム」を使って「トリップ」をしていた際に、「面白いものをつくろう」として思いついたのが、ダウンを着た教皇のイメージだったとしている。
そうして作成した写真を 「Reddit」やFacebookグループに3枚の写真を投稿したところ瞬く間に拡散したといい、ここまでの広がりを見せたことには「ただただ驚いた」と証言。
「こんなに広がってほしくなかった」とも述べた。人々が疑問を持たずに本物と思い込んでいることには、恐怖も感じたという。
パブロ氏はカトリックの家庭で育ったものの、今は信仰心はないという。一方、教皇に対しても特段の悪意は感じていないと主張。一部のユーザーがこの画像を、カトリック教会の「贅沢さ」を批判するために用いていることについては、「クレイジーだ」と一蹴している。
たびたび拡散する「AIフェイク」
AI生成のフェイク画像をめぐっては、つい先日もテスラ社CEOのイーロン・マスク氏が米ゼネラル・モーターズ（GM）CEOのメアリー・バーラ氏とデートしているという虚偽画像が拡散したばかりだ。
また、2022年の台風15号の豪雨災害時に、静岡県内の被災地の画像を偽造した写真が日本でも拡散した事例があったほか、AI生成の人物画像のアイコンを用いて、ワクチンやコロナ関連の誤情報の発信を続けている日本語アカウントの存在もBuzzFeed Newsの取材で確認されている。
誰でもこうしたフェイク画像を容易につくれるようになっていることから、情報の精査にはより注意が必要であると言える。
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- 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
- 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
- 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
- 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
- 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
- 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。