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「働き方改革が楽しくない」 サイボウズが「お詫び広告」を出した理由

働くって、なんだろう?

この広告は、日経新聞(9月13日付朝刊)に掲載されたもの。ソフトウェア開発会社・サイボウズの青野慶久社長の名前で、「働き方改革に関するお詫び」が綴られています。

なかなかウィットに富んでいる内容で、昨今話題になっている「働き方改革」に言及しています。たとえば、こんな具合に。

とにかく残業はさせまいとオフィスから社員を追い出す職場、深夜残業を禁止して早朝出勤を黙認する職場、働き方改革の号令だけかけて現場に丸投げする職場。なんですか、そのありがた迷惑なプレミアムフライデーとやらは…。

私たちが伝えたかった「働き方」とは、そういうことではないのです。

私たちにもっと力があれば、私たちがもっと強くメッセージを発信できていれば、このような働き方改革の現状にならなかったのかもしれない。不甲斐なさと、申し訳なさでいっぱいです。

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新聞広告のほか、新宿駅などでも同じテーマの広告を掲載中。Webには特設サイトをつくり、これまたウィットに富んだ「アリとキリギリス」のアニメを用いて、「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。」というテーマを発信しています。

動画を見れば、女王アリの台詞が脳内リピートされます!@秋葉原、新宿 働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。|サイボウズ  https://t.co/73WXPa4zaU

サイボウズはどのような狙いで、一連の広告を打ったのでしょうか。

cybozu.co.jp

一連のプロジェクトのリーダーを務めた杉山浩史さん(コーポレートブランディング部)は、BuzzFeed Newsの取材に「今の現場に問題提起をしたかった」と語ります。

「世の中の働き方改革が、画一的になっているのではないか、と感じていました。イクメン、女性活用、ノー残業……。『右向け右』で同じ方向に向いていますよね。働くこと、働き方改革の本質ってなんだろうか、ということを考えていただきたかった」

「たとえば残業にしたって、働きたい人は働けばいい、帰りたい人は帰ればいい。みんなそれぞれに、違った生活や働き方への意識がある。パソコンを取り上げるのではなく、まずそういったことを重要視するべきですよね」

特にターゲットとしたのは、これからを担う「若い人達」だといいます。

「今回の広告をきっかけに、働くことの多様性を、自分なり、会社なり、チームなりで考えていただきたかった」

それにしても、なぜサイボウズが? 杉山さんは「12年間、働き方改革に真摯に取り組んできたからこそ言えること」と胸を張ります。

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「弊社は2005年に離職率が28%だったことがあり、危機感から働き方改革を始め、実践してきた企業です。一つの答えを提示するということではなく、100人いれば100通りの働き方があるのだと、多様性を重視してきました」

サイボウズでは、最長6年の育児・介護休暇制度の導入や、副業や在宅勤務の許可、自分の生き方に合わせて勤務時間や場所を決められる制度などを導入しています。

こうした施策が功を奏し、2016年末の離職率は4%以下にまで下がったそうです。

「このようにして色々と働き方改革をやってきたにも関わらず、世の中では同じような『改革』がなかなか進まない現状があります」

「これはひとえに弊社の力不足であると、ユーモアを交えて出させていただいたのが、今回の『お詫び』でした。弊社としては、自分たちの不甲斐なさを伝えたかった。国や政策に対しての『お詫び』ではありません」

ちなみに、一連のプロジェクトに関する広告の掲載を断った媒体もあったそうです。

杉山さんによると、国の進める「働き方改革」を皮肉るような内容だったのがその理由だとか。

日経新聞に掲載したような「お詫び」ではなく、別の新聞社でもないそうですが、具体的な媒体名は明らかにしていません。

いずれにせよ、今回の一連のプロジェクトには、SNSを中心に大きな反響が寄せられているとのこと。

「若い世代の多いSNSで反響があったのは、我々としても理想としていた展開で、手応えを感じています。これを機に、多くの人たちが、『働くこと』や『働き方改革』の本質を一度、立ち止まって考えていただければ」

現代を生きるアリとキリギリスのアニメは、残業編・女性活躍編・イクメン編の3つが公開されています。こちらの特設ページから見ることができますよ。

YouTubeでこの動画を見る

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Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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