2歳の娘が… 家族全員でコロナに感染。医者にかからず「自宅療養」して感じた8つのこと

娘から広がった新型コロナウイルスの家庭内感染。どう対処をしたのか、記者の体験を振り返りました。

これまでで最大の感染者を出した、新型コロナウイルスの第7波。

記者も8月に感染。2歳の娘から家庭内感染が一気に広がり、3人家族全員が陽性となりました。

幸いにして軽症だったこともあり、医師にかからず「自宅療養」で過ごした経験を、「次の波」が来る前に体験談としてまとめました。

1. 始まりは娘の体調不良から

Kota Hatachi / BuzzFeed

2歳の娘の体調がおかしくなったのは、8月のある夜のこと。

前夜のご飯は好物を出してもあまり食べなかったのですが、11時ごろに熱が出て、どうやらうなされている様子。とはいえ咳などもなく、眠りにはついていたので、その日は様子を見ることにしました。

ちょうどそのころ、娘の通う保育園では手足口病や風邪が流行っていて、クラスでも複数の欠席者が出ていました。その線が濃厚ではないかと疑っていたのです。

2. 検査キットで「くっきり2本線」

Kota Hatachi / BuzzFeed

翌朝、熱を測ると38度6分。常備していた医療用の抗原検査キット（鼻拭い式）を使うと、くっきりと陽性の2本線が。

前述の通り別の病気であると思い込んでいたので、僕と妻は大慌て。この時点で、自分達の体調に異変はありませんでした。

一方で疑問にあがったのが感染経路です。保育園ではコロナ発症者が関係者に出るたび連絡があるのですが、娘が濃厚接触者になった疑いはありません。

心当たりがあるとすれば、数日前に行った室内遊び場ですが…… 結果として、感染経路はわからずじまいでした。

3. 医師にはかからず「自主療養」を選択

Kota Hatachi / BuzzFeed

幸いにして、娘の症状は発熱と軽い咳だけ。すこしだるそうですが機嫌もよく、常備していたパルスオキシメーター（写真）で酸素飽和度に問題がないことも確認できました。

こうした点が大きな安心材料となり、病院にはかからないで、神奈川県が実施していたセルフテストによる「自主療養」制度を利用することに（現在は終了し別の制度に移行）。

当時は感染の第7波の混乱で医療機関が大混雑していて、数時間待つという話もよく見聞きしていました。

逆に病院に行くことが娘の体への負担になるし、限られた医療資源はより症状の重い人に利用してもらいたいと考えたからです。

4. 発症前に、必要なものの買いだめを

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家庭内感染は不可避であると考え、僕と妻が発症する前に、まずは備えを優先することにしました。

8月中は神奈川県が濃厚接触者向けに無料で医療用の抗原検査キットを配布していたことから、その申込手続きを優先しました。感染拡大でキットも入手しづらくなっていたからです。

自分と妻の分のキット（計4本）を確保することができたら、その次は薬と食料です。家に常備してあるもの（後述）以外に必要そうと思われるものを買い、ゼリー飲料や経口補水液を……。

神奈川県では経済的な事情などがなければ配食サービスもないため、普段の食料に加え、簡単に調理できるキットや、子ども用のお菓子、アイスなども確保に急ぎました。

5. 解熱剤に咳止め。常備薬と買い足した薬は

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家には過去の発熱時の処方薬や市販薬が常備してあります。

・アセトアミノフェン系の解熱剤

・子ども向けのアセトアミノフェンの坐薬

・咳止め薬

・喉の腫れをおさえる薬

・ロキソプロフェン系の解熱剤

発熱や咳など、軽症者の対症療法はこれで十分と考え、追加で購入したのはトローチと「OS-1」、さらに追加のアセトアミノフェンでした。

娘は一時40度まで熱があがりましたが、水分や簡単な食事も取れており、自宅療養を続けました。夜中に高熱で起きてしまったときだけ坐薬をうちました。

異常な高熱、肺炎症状や熱けいれんが出たときはすぐに医療機関を頼ろうと思っていましたが、幸いにして、症状は改善傾向に入っていました。

6. 3人ダウン、我が家の「地獄」

Kota Hatachi / BuzzFeed

ほっとするのも束の間。娘が発熱してからほどなくして、今度は僕と妻が、体に異変を感じるようになりました。

最初は軽い喉の痛みと倦怠感。そして、徐々に悪寒（なんか今日クーラーちょっと寒くない？程度の）も感じるように。

まず妻が陽性に。最初は微熱で動けていましたが、夜になると一気に熱が上がり、寝たきりになってしまいました。

さらにその数時間後、僕も妻とまったく同じ症状が現れ、一気に熱が40度近くまで急上昇……。立ち上がるのもキツい状況で、おぼろげながら「ワクチンの副反応をさらにキツくした感じだな」と思った記憶があります。

このタイミングで娘の熱もぶり返し、我が家の最大の地獄が訪れました。事前に枕元に解熱剤や経口補水液をセットしておいてよかった……。家族3人でうなされながらも、なんとか乗り切りました。

7. 「怒らないで」と娘に言われ…

Kota Hatachi / BuzzFeed

翌朝になって、僕も抗原検査キットで陽性判定が出ました（写真は4日分の検査結果）。家族3人そろって自宅療養のはじまりです。

その後もだらだらと微熱は続き、重めの倦怠感も治らないまま過ごしていましたが、このころに娘は全快といえる状況に回復していたため、とにかく元気で「外に出たい」「遊びたい」モードです。

子ども用のタブレットや新しいおもちゃをネットで注文し、楽しんでもらったり、テレビで動画を見てもらったり、買いだめしていた食料で一緒にカレーをつくってみたり……。

夫婦で交代するなどしましたが、まだまだ互いに回復途上。普段でさえ感じる体力のギャップにだるさが加わり、かなりキツい状況に。

駄々をこねる娘にイライラして怒りをぶつけてしまい、「怒らないで？」と言われてハッとさせられることもありました。

8. 3つの「備え」に救われた10日間

LINEより

僕の症状がほぼ改善したなと感じることができたのは、自分の発症から5日ほど経ってから。

一方の妻も体調的にはほぼ同じ段階で戻っていましたが、嗅覚・味覚障害の後遺症に苦しむことに。当初は一切の感覚がありませんでしたが、徐々に回復し、2週間ほど続いたといいます。

今回、一度も医師にかからず自宅療養を終えてみて、とにかく思ったのは「備え」の大切さです。我が家には（1）医療用の抗原検査キット（2）パルスオキシメーター（3）対症療法に必要な薬ーーがすべて揃っていたから乗り越えられたとも思います。

症状の急変も考えられるため、軽症＋自宅療養であってもこの間、神奈川県からはLINE（写真）や電話（自動音声）で状況確認があったことも、安心できる要素のひとつではありました。

また、夫婦そろってワクチンの3回接種を終えていたから、高熱は一晩だけと、軽症（もちろん当日はものすごくしんどかったですが）で済んだのかなとも感じています。

今後もしばらく「ウィズ・コロナ」は続くはずです。少しでも重症化などのリスクを下げられるように、娘の今後も含め、うてる機会にはきちんとワクチン接種をしていきたいと改めて痛感しました。