女性支援団体「Colabo」めぐり東京都に再調査を勧告。住民監査請求受け「不当な点が認められる」と都監査委

    Colaboは東京・新宿や渋谷などで、虐待や性暴力などで家に居られず街をさまよう女子高校生などを支援する団体。活動のうち、東京都から委託を受けている「若年被害女性等支援事業」の2021年度の会計報告(委託料上限2600万円)について「不正」があると指摘していた男性が、住民監査請求を起こしていた。

    東京都監査事務局は1月4日、困窮する若年女性たちの支援をしている一般社団法人Colabo(仁藤夢乃代表)が都から委託を受けて実施している事業に関する住民監査請求の監査結果を公表した。

    都監査委員は、人件費や領収書などに不適切な点があるほか、一部の経費については妥当性が疑われるとし、「不当な点が認められる」と指摘。都に対して、事業に必要な経費を再調査し、過払いがあった場合には今年2月28日までに返還請求するよう、福祉保健局に勧告した。

    請求人側が「不正会計」などと指摘した9項目のうち、人件費については上記の通り「主張の一部には理由がある」とし、1項目は「誤記」と指摘。そのほかの項目は「主張は妥当ではない」と退けた。

    Colaboはネット上で中傷を受けたなどとして、請求人を提訴している。監査結果に「改善が必要であれば適切に対処する」「請求人の主張したほとんどは認定されなかった」とコメントした。

    Colaboは、虐待や性暴力などで家にいられず街をさまよう女子高校生ら若年女性を支援する団体。

    活動のうち、東京都から委託を受けている「若年被害女性等支援事業」の2021年度の会計報告(委託料上限2600万円)について「過大申告」「不正」があると指摘していた男性が、住民監査請求を起こしていた。

    今回の住民監査請求は昨年11月2日に提出され、福祉保健局への監査とColaboへの関係人調査などを経て12月28日に請求人に結果を通知、今年1月4日に公表された。

    監査結果は「本件経費の検証について」として、人件費や領収書などに不適切な点が認められ、一部の経費については妥当性が疑われると指摘。

    精算は「妥当性を欠くものと言わざるを得ない」「不当な点が認められる」とし、都に対して以下の2項目を今年2月28日までに実施するよう勧告した。

    ・本事業の実施に必要な経費の実績額を再調査及び特定し、客観的に検証可能なものとすること

    ・事業として不適切と認められるものがある場合や委託料の過払いが認められる場合には、過去の事業年度についても精査を行うとともに、 返還請求等の適切な措置を講じること

    「不適切」「妥当性疑われる」とされた点は

    監査結果では、人件費に関して、委託事業とほかの事業経費とを区分する必要があると判断。Colabo側の「事業への従事割合によって委託事業の経費として按分をした」という説明について「根拠となる考え方が不明瞭で、その実態が不統一」「按分すべき法定福利費、税理士報酬等については按分せず全額計上している」として、「不適切である」と指摘した。

    また、領収書に関しても「事業の特性上やむを得ない事由があることは理解できる」としつつ、「領収書として認められるか否か疑義が生じるような領収書が含められている」「領収書が示されていない事項が本件経費に計上されている」ことを理由に、不適切だと指摘した。

    さらに、委託事業の経費について「対象人数が不明であるものの、一回当たりの支出が比較的高額なレストランでの食事代やホテルの宿泊代、また食事代とは理解し難い物品の購入代が計上されている」「宿泊支援費について都外遠隔地での宿泊代が計上されている」とも記載。「委託事業の経費として計上することに妥当性が疑われる」とし、これらの点について、都に再調査などを勧告した。

    請求者の男性の9項目に及ぶ「不正」という指摘のうち、税理士らの人件費に関しては上記の通り「主張の一部には理由がある」と判断、通信費については「誤記」と指摘した。

    一方、「ホテルの宿泊費が過大計上」「タイヤ代が不自然」「ガソリン代が過大」「医療費が二重請求」など7項目は「主張は妥当ではない」と退けた。

    監査結果ではこのほか、都に対して「公金の使われ方について都民に疑念等を生じさせないよう、必要経費の正確な報告をさせたうえで精査・精算すること」「宿泊費や給食費等について合理的な基準を設けること」「受託者に対し本事業が公金を使用する事業であることをあらためて指導徹底すること」などを求めている。

    Colabo側の見解は

    一連の指摘を受け、Colabo側は「指摘事項の具体的な詳細について今後確認したうえで、東京都に対しては、Colaboとしてこれまで行ってきた取扱のあり方について必要な説明を行い、そのうえで見直しや改善が必要ということであれば指導に従い、適切に対処していきます」とのコメントを発表

    「不正な経費の利用を行ってきたとは考えておりません」とし、領収書については「女性やスタッフの安全確保のために記載は必要最低限」になることがあると述べ、レストランとホテル代については「本事業遂行のために行われたもの」と説明した。

    また、「違法行為は確認されず、監査請求人が主張した事実のほとんどは認定されませんでした」「誹謗中傷については今後更に厳正な法的措置で対応します」とした。

    東京都監査事務局によると、都に対する住民監査請求で請求人の主張に「理由あり」(認容)と認められたのは、舛添要一元都知事の公用車私的利用をめぐって経費の返還請求を勧告した2016年以来6年ぶりとなる。