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「もう辞めてもいいかな…」コロナ病棟、看護師の悲鳴。退職者は急増、家にも帰れず

「医療崩壊は起きている」。緊急事態宣言下の大阪で重症者対応に当たる女性看護師が語る、現場の実態とは。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が東京や大阪など10都府県で延長された。

感染者数は減少傾向にあるが、一方で重症者を受け入れる医療現場はいまだに逼迫している。

「終わりが見えない。もう限界です」。重症者対応に当たるある大阪市内の女性看護師は、取材にそう吐露する。いま、最前線で何が起きているのか。

ソロさん提供

ソロさんの暮らしているシングルルーム(画像を一部加工しています)

「大晦日も仕事でした。正月も家に帰れなかった。ここまでして、がんばらんでもいいかなって思うようになってきましたね……。正直、辞めたくなります」

そうBuzzFeed Newsの取材に話すのは、大阪市内で三次救急を受け入れる病院に勤めている看護師のソロさん(40代)だ。

BuzzFeedの公式LINE「バズおぴ」に心境を寄せたソロさんは、第3波のはじまったこの冬から、新型コロナウイルスの重症患者の対応に当たっている。

「終わりが見えない状況になっています。第3波は特に、人数が違う。うちは重症者しか受け入れていないのですが、ひとり亡くなったり、よくなって転院したりしても、すぐに新たな患者さんが入ってくる。エンドレス満床状態です」

「救急は止めるなと言われてるけれど、コロナ対応では看護師が1人の患者につきっきりにならないといけないため、スタッフの人数も限られていて、もう限界です。医療崩壊は、もう起きていると思います」

ソロさんはもう2ヶ月、大阪市内のホテルのシングルルームで暮らしている。

ともに暮らしている両親は70代、80代。持病もあり、ハイリスクであるため、病院の借り上げた部屋に身を置いているのだという。

自分が誰かに感染させてしまうリスクを考え、休みの日もほとんど部屋から出ない。食事はコンビニ弁当や、テイクアウトだけ。お世辞にも広いと言えない一室と病院を往復する生活で、ストレスも増える一方だ。

「自分が感染して病院の患者さんにうつしてしまったら、と考えると怖くて。でも、街中にはたくさん人がいるし、昼から飲んでいる人もいる。テレビを見てもイライラが募るし、SNSを見るのももう辞めてしまいました」

「転職サイトに登録」も

ソロさん提供

シングルルームの廊下がクローゼットの代わりだ(画像を一部加工しています)

コロナ禍において、病院からはプライベートでも会食や旅行はしないよう、通達が出されている。

GoToキャンペーンは「もちろん使ってません。行きたくてもいけないです」。この1年、友達と食事を食べる、なんてこともなくなった。

自らの感染への危機感よりも、こうした不自由な暮らしが続いていること、そして業務の負担は大きい。現場の看護師は、とにかく疲弊しているとも吐露する。

「感染防御をしたうえで求められる仕事量が多すぎるんです。たとえば、コロナの患者さんがいなくなった部屋は、看護師が掃除をしなければいけない。床からベッドから、2回吹き上げる必要があるのです。3人がかりで1時間かかってしまう。CT検査を1回するにしても、手術室を使っても同じです」

「自らがエキスパートではない業務を担当するのも、物凄い負担です。コロナ対応では、ほかの病棟から代わる代わる看護師が現場に送られているのですが、慣れない業務を1週間で叩き込まれる。使うカルテも、検査も薬も違う。物品の場所さえわからず、新しいことを覚えるので必死。教える側も、教わる側もいっぱいいっぱいの中で対応に当たっているんです」

勤めている病院では、この春に100人が退職する。例年の倍ほどの人数だ。

「回復した患者さんに話を聞くと、カラオケか宴会でかかったという人がものすごく多かった。プロとしては、命を助けるために全力を尽くしますが、理由を聞いたらがっくりとくる。モチベーションも下がってしまいますよね」

「もう辞めてもいいかな、と言っている人がたくさんいますよ。こんなに夜勤して、がんばらんでもって。普通の診療所でいいかなって言ってる人もいっぱいいる。後輩から転職サイトに登録しました、なんていう話を聞くことも増えました」

ワクチンは希望、でも

Getty images

(イメージ写真、一部画像を加工しています)

宣言の効果が現れてか、全国的に感染者は減りつつある。しかし、重症者病床の現場に終わりは見えない。

出口のないトンネルのなかで、唯一の「希望」となっているのはワクチンだ。2月末にも医療従事者への接種がはじまる。

「ワクチンには希望があるとは思っています。変異株には不安もありますが、打たないことにはどうしようもないですよね。それでもこの感染が収まるには、まだ時間がかかるとも思います」

要になるのは、やはり人々の意識だとソロさんは思っている。政府や行政が頼りないと感じているからこそ、言葉に力を込めて、呼びかけた。

「やっぱり、危機感がなくなっていると思う。緊急事態宣言は出てるかもしれないけど、街中は切羽詰まってない。みんなに通じてない。夜飲んだらダメなら昼飲んだらいいというわけじゃない。ウイルスは寝ませんから。医療関係者への拍手や青色のライトなんかではなく、とにかく、できるかぎり家にいてほしい」

「患者さんをみたら、怖いんですよ。ほんとうにしんどそうだし、一気に病状が悪くなって、治りかけていた人が一晩で亡くなってしまうということもある。これまでの病気と雰囲気が違う。ものすごいお金をかけて、手厚い医療を尽くしても、助からない人がいるんです。それを知ってもらえれば、少しは変わるんじゃないでしょうか」


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