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BTSの誤情報、ニュースアプリも配信 ネットメディアが拡散、対策は?

情報は拡散し、転載が繰り返されたままになっている。

インターネットメディア「Buzz Plus News」(バズプラスニュース)が掲載したBTSに関する誤情報が立て続けに拡散している。それらは他のサイトやプラットフォームに転載され、さらに広がる。

バズプラスニュースが書いたBuzzFeed Newsに関する誤った記事も、ニュースアプリ「Gunosy(グノシー)」や「ニコニコニュース」などにも広がった。誤情報の拡散に外部サイトやプラットフォームはどう対策を取っているのか。

まず、経緯を振り返る

11月11日に「バズプラスニュース」が配信したのは、【炎上】韓国アイドルBTSがユニセフ事務所に「原爆看板」持ち込み問題視 → 世界的大批判「非常識すぎる異常集団」という記事だ。

だが、「バズプラスニュース」が「原爆看板」と書いたのは、実は飛行船の模型。韓国ユニセフ協会の「LIVE MYSELF」キャンペーンで使われている。BuzzFeedがその事実を指摘した後、14日に記事は「ミサイル型看板」と修正された。

また、「バズプラスニュース」は12日、【問題視】ナチス帽子・原爆Tシャツ炎上の韓国アイドルBTSが音楽ランキング不正で1位獲得 / 北米BuzzFeedがスクープ「ビルボード順位は不正」という記事も配信している。

BuzzFeed Newsが報じたBTSファンが世界規模でチャートの順位を押し上げた状況を解説するスクープを引用したものだが、「アメリカ版だけで報じられ、日本版はスルーした」と「バズプラスニュース」は記していた。

だが、BuzzFeed日本版は10月25日にこの記事を翻訳して配信しており、この記事も間違いだった。

誤情報の拡散、アプリやポータルの対策は

「原爆看板」の記事は「Share News Japan」や「アルファルファモザイク」「保守速報」などのサイトに転載され、後者の記事も「5ちゃんねる」のスレッドをまとめた「なぜか日本BuzzFeedは報じず」という見出しの記事が広がっている。

さらに、ニュースアプリ「グノシー」や「ニコニコニュース」などの大手媒体にも配信され、SNSを通じて拡散した。

「グノシー」からはその後「バズプラスニュース」の当該記事が削除されたが、「アルファルファモザイク」が転載した内容は掲載されたまま、削除されずに残っている(11月16日午後5時現在、写真右)。

事実とは異なる情報の配信や転載をしていることについて、ニュースアプリやポータルサイトはどう捉えているのか。BuzzFeed Newsは、「グノシー」と「ニコニコニュース」に取材した。

いずれも11月14日に、「バズプラスニュース」の2つの記事に関して、アプリやポータルサイトとしての考え、メディア選定の方法などを聞いた。

グノシー「対応が課題」との認識

「グノシー」は、BuzzFeed Newsにメールで回答を寄せた。

タイトルを過剰にすることでアクセスを稼ぐ「クリックベイト」(釣り記事)への対策が、同社のアルゴリズムにおいても課題だという認識を示した。

「近年ウェブ上のメディアでは、ユーザのクリックを誘発するような記事への対策が課題となっており、当社のアルゴリズムも同様の課題を抱えています。当社ではアルゴリズムの改善を目的に、クリックベイトの対策について研究を進めております」

そのうえで、対応策については「規約違反が確認された場合は掲載停止する」と説明し、以下のように答えた。

「事前に媒体社様へ執筆体制等をヒアリングし、弊社の規約とガイドラインを遵守することに同意した媒体社様と提携をしております。なお、規約等への違反が確認された場合は掲載停止などの措置をとっております」

「本件につきましても個別に精査させていただきますが、詳細は非開示となります」

ニコニコニュースには11月16日午後5時現在の段階で返信がないため、回答があり次第、追記します。当該記事は掲載されたままになっています。

「バズプラスニュース」はお詫び

「バズプラスニュース」は、BTSのランキング記事について誤りがあることを認め、「バズフィードジャパンさまに深くお詫びいたします」というお詫びを元記事に付記すると共に、それとは別に「検証記事」を公開した。

なぜ、自分たちがBuzzFeed日本版はBTSのランキングに関する記事について間違った報道をしたかの理由を説明するものだが、前回の記事も、今回の検証もBuzzFeedに対する取材はないままに「公平性を保っているように見せかけている可能性」などと記している。

記事にはさらに、以下のようにも記されていた。

※備考: バズフィードジャパンさまからのメールがスパム認定されているため、気づくのが遅れ、対応遅れましたことお詫びいたします。スパム認定されるようなメールの出し方を改善いただけましたら幸いです。

BuzzFeedからの取材依頼はバズプラスニュースのサイトに設けられている「お問い合わせ先」から送っているが、11月16日午後5時現在、返信はない。