食料問題の解決策のひとつとして世界的に広がりを見せている昆虫食をめぐり、「聖書の記述がコオロギも食べてよいと書き換えられた」などとするツイートが拡散している。

指摘されている旧約聖書の「レビ記」(11章22)にはさまざまな解釈があるが、1970年に出版された『聖書 新改訳』(新日本聖書刊行会)には「こおろぎ」の記載がある。

拡散しているのは、旧約聖書の「レビ記」をめぐる記載。「食べて良いもの、悪いもの」を規定している部分で、昆虫を指している記載だ。「こおろぎ」とされている場合もあれば、「いなご」や「ばった」の場合もある。
もともとは「いなごの類」だけとされていたものが、2017年に書き換えられたと主張し、それを「陰謀」などと指摘しているが、これは誤りだ。
『聖書 新改訳2017』(新日本聖書刊行会)では「コオロギ」とカタカナになっている点や、言い回しなどの違いは見られるが、記載そのものが2017年に書き換えられたわけではない。
また、英語版の聖書では100年以上前から「コオロギ」(cricket)と記載されているものもあり、近年の昆虫食と結びつけるのは誤った見方だ。拡散しているツイートは、誤りであることは明らかだ。
Kota Hatachi kota.hatachi@buzzfeed.com に連絡する.
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