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【貧困女子高生】政治家はどう考える? 高校生が質問してみた→片山さつき議員の回答は

「質問が悪意を含んでいる」

8月、NHKがニュース番組で紹介した「貧困女子高生」へのバッシングがネット上に広がった。

経済的な事情によって希望の進路を諦めるなど、さまざまな「壁」に直面している女子高生が紹介されたこの番組。

放送後、生徒の私生活が「貧困には見えない」という理由から、炎上した。自民党の片山さつき・参議院議員も疑問を呈し、事態はさらに拡大した。

「国会議員は本当に貧困問題について考えているのだろうか」

一連の経緯を見てそんな問題意識を持った高校生が、9月、片山議員らに公開質問状を送付した。

BuzzFeed Newsは、その回答を紹介する。

まず、この問題を振り返る。

NHKがニュース7(8月18日放送)で取り上げたのは、母親と二人暮らしをする、神奈川県内の女子高生。家計が苦しいためにパソコンを購入することができなかったり、進学も諦めざるを得なかったりする「経済的な壁」を紹介した。

しかし、その室内にアニメグッズやイラスト用のペン、エアコンのようなものが映り込んでいたことから、ネット上で「貧しくない」「捏造だ」などという意見が勢いを増す。

生徒のものとみられるツイッターアカウントが見つかると、「アーティストのライブに行っている」「1千円以上のランチを食べている」と、私生活の一挙手一投足がバッシングの対象となり、自宅の写真まで流出した。

この炎上騒動に加わったのが、自民党の片山さつき参院議員だ。番組放送後、ネット上で批判が拡散すると、騒動をまとめた「痛いニュース」の内容を含むツイートを、こう引用した。

片山議員はこの後、NHKに取材の意図を問い合わせ、回答を掲載。これらのツイートは炎上を助長したとの批判も受けた。

背景には「相対的貧困」への無理解?

そもそもNHKが取り上げたのは、社会において、平均的な暮らしを送ることができていない「相対的貧困」に苦しむ子どもたちだ。

「相対的貧困」は、病院に行けない、進学ができない、満足な学習を受けられない、友達と遊びに行けないなど、貧困状態にない人にとっては当たり前の生活を送ることが難しい人たちのことを指す。

飢餓状態にある難民のような「絶対的貧困」と比べれば、生活の苦しさは伝わりづらい。それでも、国内の状況は深刻だ。日本では所得の中央値の半分(貧困ライン)を下回っている「相対的貧困」の家庭にいる子どもは、実に6人に1人、約325万人いるとされている

片山議員は、相対的貧困を理解していなかったのだろうか。

政治家の発言は重いのに……

今回、公開質問状を送付したのは、福島県立白河高校2年生の4人。このために「しらかわ次世代による政治を考える会」を立ち上げ、1カ月かけて準備を進めてきた。

なぜ公開質問状を? 代表の冨井治弥さんは、BuzzFeed Newsの取材に対し、「政治家の人たちが貧困問題についてちゃんと認識しているのか、知りたかった」と語る。

「この問題については、ツイッターなどでいろいろな議論がされていました。でも、そこで広がっていたのは根拠がない情報や誹謗中傷、批判ばかり。同じ高校生が抱える問題なので歯がゆさを感じ、同世代に伝えるために、何かアクションを起こそうと考えました」

なかでも、片山議員の発言には違和感を覚えたという。

「政治家の発言は重いし、影響力があります。あの発言によって、『相対的貧困は我慢することでどうにかできる』という認識が広まって、苦しむ高校生たちが逆境に立たされてしまったのではないかと思いました」

片山議員その人や、同じように教育問題に取り組む議員たちは何を考えているのだろうか。問題の本質を知っているのだろうかーー。

そう感じた冨井さんは、社会問題に興味を持っていた友人たちに話を持ちかけた。3人が集まり、高校生の活動を支援するコミュニティ・スペースの協力を得ながら、公開質問状を送ることにしたという。

質問項目は12個ある。

公開質問状では、▽経済格差を理由に進路を諦める高校生がいる状況や、貸与型奨学金制度を改善すべきかどうか▽「相対的貧困」を認識しているか▽政治家がSNSを使うことで個人の誹謗中傷を助長して良いのか、などを聞いている。

対象は、教育や子どもの問題に関わっている参議院議員12人。

9月4日付で送付したところ、期限の9月15日までに、▽片山さつき議員(自民)▽若松謙維議員(公明)▽吉良よし子議員(共産)▽岩渕友議員(同)▽山本太郎議員(生活)の5人から返答があったという。

「相対的貧困に該当する人々への支援や格差解消のための政策は必要だとお考えでしょうか」

回答:必要だと思う。

ただし、血税が財源であり、どの範囲までどの程度については支援の性質ごとに検討し、予算や法律を通じて国会が決めることである。従来、「非課税世帯」等の基準が用いられており、3年ないし5年に1度しか数値が出ない相対的貧困所得そのものを支援基準のラインにはしていない。

「相対的貧困者が経済的理由で進学を断念したり、進学のために支出を大きく制限したりすることは、格差だとお考えでしょうか」

回答:格差だと思う。

「教育基本法」「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の理念を踏まえ、全ての子供が、家庭の経済状況に左右されることなく、希望する質の高い教育を受けられるよう、相対的貧困の状況にある子供への支援も含め、財政事情の許す限り国会の承認を経て必要な教育の支援が行われているところである。

「NHKで放送された女子高生を含む、相対的貧困状態にある高校生は、娯楽や進路先、職業への制限があるべきだと思いますか」

回答:あるべきではないと思う。

当該女子学生のご家庭の正確な所得を知る立場になく、2016年分の「相対的貧困」ライン数値が厚労省統計でも総務省統計でもまだ出ていないので、相対的貧困と推定される理由が不明であり、それを前提にした質問であればお答えはできないが、一般論としては、「あるべきではない」と思う。

回答を見る限り、片山議員が相対的貧困について理解をし、支援の必要性も認識していることがうかがえる。一方、NHKが取り上げた女子高生については回答を避けている。

では、ツイッターについての質問にはどう答えたのか。

「片山さつき議員はTwitterで、当該女子高生についての誹謗中傷、人格攻撃を含んだブログサイトを引用しました。公人である国会議員がそのようなサイトを引用することは、個人への誹謗中傷を助長する可能性もあります。公人はSNS利用にあたって、この可能性を考慮すべきでしょうか」

回答:その他

質問自体が、片山さつきのツイートに関する誤解・悪意を含んでおり、お答えを差し控えさせていただきます。


いったい、質問のどの点が「誤解」と「悪意」を含んでいるのだろうか。BuzzFeed Newsは、片山さつき議員の事務所に問い合わせた。

「誤解と悪意」の詳細とともに、「痛いニュースを引用したことについてどう考えているのか」と、文書で事務所に問うた回答は、こうだ。

公開質問状は、進学を控えた若者への経済支援のあり方が主な内容でしたので、それに対してお答えし、当該質問については経済支援策とは直接関係ないこともあり、お答えしませんでした。

片山さつきのご指摘のツイートが直接引用したのは、KAZUYA氏のツイートで、その中でKAZUYA氏が引用されている”痛いニュース”(別紙、画像はNHKニュースと当該女子高生が発信したツイート)の、いずれかの部分について問題があるとお考えでしたら、まずKAZUYA氏及び”痛いニュース”にご指摘されてはいかがでしょうか。(KAZUYA氏にお伺いしたところ、そのような問い合わせは来ていないとのことでしたので)

また、本文を引用する場合は恣意的になりがちな部分引用ではなく、全体引用をお願い致します。

全体引用をされていないようでしたら、こちら方で状況に応じ公開させていただきます。

宜しくお願い致します。

質問状の詳細や全員分の回答は「しらかわ次世代による政治を考える会」のサイトから見ることができる。



Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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