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「#赤ちゃんの物を奪わないで」妊婦さんがSOS、新型コロナで乳児用グッズが品薄に

品薄が広がっているのは、哺乳瓶などを除菌するための薬品や、乳児の沐浴のために使うガーゼなど。特に出産準備にあたる妊婦や産後の母親たちが必要とするものだが、ネット上では手作りマスクや手指消毒の代用品として乳児グッズを紹介するサイトも存在する。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各地のドラッグストアなどで、乳児用の除菌商品やガーゼなどの品薄が相次いでいる。

消毒や手作りマスクの代用品としての使い方がネット上で拡散していることが影響しているとみられ、妊婦や母親たちからは「赤ちゃんの物を奪わないで」という声も広がっている。

品薄が広がっているのは、哺乳瓶などを除菌するための薬品や、乳児の沐浴のために使うガーゼなど。

特に出産準備にあたる妊婦や産後の母親たちが必要とするものだが、ネット上では手作りマスクや手指消毒の代用品として乳児グッズを紹介するサイトも存在する。

乳児・マタニティ・キッズ用品大手のアカチャンホンポによると、新型コロナウイルスの感染が国内で広がり、消毒の必要性などが訴えられるようになって以降、品薄が続いているという。

同社の広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、こう語る。

「ガーゼについては日々生産を続けており、増産体制も重ねていますが、状況とタイミングによって品薄が続いています。除菌関連用品も、メーカーによっては同様の状況です」

「ネットの状況を見ると、代用されている方もいらっしゃるようですので、必要な人に行き渡らせていただくため、全店舗で購入制限を実施しています」

一方、Twitter上では「母乳パッド」も品切れが相次いでいるとの指摘もある。関西圏のテレビ番組でマスクにおける活用法が紹介されたことからとされている。

しかし、現状のところは在庫もあり、「大きく品薄というところは把握していない」という。今後の状況次第では、購入制限なども検討する方針だ。

「我々としても、きっちり赤ちゃんやマタニティの方、子育てされている方に商品が届くようにしたいと考えています。(代用されている方には)ご配慮いただければ幸いです」

なお、同社の一部店舗でガーゼによる手作りマスクのつくり方を紹介していたとTwitterで批判されている点については、「供給が潤沢だったころマスク不足でお役に立てればと店舗が独自に工夫していたが、配慮足りなかったと反省しています」とコメント。すでに本社の指示で、サンプルなどは撤去されているという。

声をあげた妊婦たち

こうした状況に声をあげているのが、当事者である妊婦たちだ。

Twitterではハッシュタグ「#赤ちゃんの物を奪わないで」が生まれ、必要な人に行き渡るよう、代用を控えるようにとの呼びかけが広がっている。

なかでも以下のようなコメントとともに投稿された画像は、4万リツイートを超えるほど拡散。多くの共感の声を集めている。

赤ちゃんの物を奪わないで

沐浴ガーゼやミルトンなどの赤ちゃん用品が、手作りマスク素材や除菌用品目的で買い占められてしまい、
赤ちゃんの為に買いたいお母さんたちが買えなくなっています。
どうか本当に必要な人の為に残してあげてください。

画像を作成したのは、自身も妊娠5ヶ月の会社員rieさん。大阪に暮らしている。作成に至った経緯について、BuzzFeed Newsの取材にこう説明した。

「わたしはまだ妊娠中期なので、赤ちゃんグッズを買おうとはしてないんですが、 Twitterで、マスクの材料や除菌などの大人のコロナ対策で赤ちゃんグッズが買えなくなってすごく困っている妊婦アカウントの方の嘆きを、連日目にしました」

「その後、母乳パッドも品薄になっているとの情報を知り……。今回のポスターを作り、広く啓発を行いたいと思いました」

そのうえでrieさんは、「お腹の中の子供の為にも、今より少しでもいい世の中になってほしいと願います」とも語った。

「赤ちゃん用のものは、他に代えが効きません。こんな時だからこそ、他者に対する想像力、思いやりの気持ちを持って、本当に必要とする人の手に、必要なものがちゃんと渡るように、みんなで助け合えればこの難局も乗り切れるのではないかと思います」

画像はフリーイラストを使って作成。rieさんは「みなさんの優しさが、1人でも多くの赤ちゃん、お母さんに伝わりますように」と、個人や店舗で自由に使ってほしいと呼びかけている。