改正された民法が4月1日、施行され、成人年齢が「18歳」に引き下げられました。明治以来、140年以上続いてきた「20歳で大人」というルールが変わることになります。
では、これまで20歳を祝うことになってきた「成人式」のあり方に変化はあるのでしょうか?
実は、ほとんどの自治体では、これまで通り対象年齢を20歳のままとする方針です。一方で、18歳での開催を決めた自治体もありました。

法務省が今年1月に公表した調査によると、全国1177自治体のうち、成人式の対象年齢を決めていたのは985自治体。
うち18歳に引き下げると答えたのは、北海道別海町と三重県伊賀市の2自治体だけ。20歳とするのは934自治体(94.8%)と大半を占め、21歳と答えたのは49自治体でした。
現状から変更しない自治体の多くは、「受験と重なり、出席者が減少する」(72.6%)「進学や就職から少し時間をおいて、さまざまな経験を共有できる」(29.5%)「飲酒や喫煙ができる年齢である20歳に合わせるべき」(25.5%)などの理由を挙げています。
変更すると答えた2市町は、「法律上『大人』として扱われることになる年齢の前後で成人式をすることにより、若者の自覚を促すことができる」などと回答しています。
変わる町、その理由は?

北海道別海町は、今年度は19・20歳を、来年度は18・19歳を対象にそれぞれ開催するなど、3年間かけて段階的に移行する予定です。
18歳の式の開催は、受験や就職活動などを避け、成人の日から3月の「春分の日」に移行するといいいます。
同町生涯学習課の担当者は取材に対し、「18歳になると町を出る人が多い土地柄でもあるため、社会に出る前に仲間たちと顔を合わせるという機会として定着していけばいいと思っています」と今後への期待を語りました。
一方、三重県伊賀市は来年1〜5月の計3回、18〜20歳の各年齢ごとの成人式を開催します。18歳は別海町と同様の理由から、ゴールデンウィークの5月4日にする方針だといいます。
同市生涯学習化の担当者は、18歳成人に伴う消費者被害に関する研修などの必要性があるとして、式とはまた別に開催を予定していると語りました。