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男性育休、明けてからが「本番」だった… 3ヶ月取った僕が感じた10のこと

育休が明けたからといって、育児が終わるわけではありません。3ヶ月の育児休業を取得した記者が、1年経って改めて感じた10のポイントをまとめました。

Via asahi.com

育休は終わっても、子育ては終わりじゃない。

Kota Hatachi / BuzzFeed

男性育休を推進する動きが官民で広がっています。僕自身も昨年4月に長女が生まれ、妻とともに3ヶ月の育休を取得しました。

「育休は休みではない」というのは当たり前の話。育休期間は、夫婦そろって、授乳やお風呂、寝かしつけなどの子育てスキルを習得する修行の3ヶ月になりました。

「母乳をあげる以外はすべて父親もできる」と言われる通り、育児のノウハウは母親にだけプリインストールされているものではないのです。初めての育児であれば、スタートラインは父親も母親も同じです。

そして何より、育休が明けたからといって、育児が終わるわけではありません。我が家は夫婦そろっての復帰となったので、むしろそこからが本番でした。

1年以上が経ち、娘もいまは1歳8ヶ月。改めて感じた10のポイントをまとめました。

1. 平日は分刻み、「休日」はない。

Kota Hatachi / BuzzFeed

仕事に復帰してみて、とにかく感じたことは、日々を分刻みで回していかなければいけない、ということ。

スケジュールを画像にまとめてみましたが、とにかくやることがいっぱいです。仕事と育児、家事で1日のほとんどが埋まります。

大人がやっと一息つける時間は子どもが寝てから。とはいえ家事も残っているし、ワンオペの日はクタクタで、すぐに電池が切れてしまいます。

週末はもっと大変です。そもそも育児に「休日」は存在しません。土日は保育園に預けない分、1日中子どもと一緒に過ごします。

もちろん何ものにも代え難い時間であり、とっても楽しいのですが、体力的には結構大変。日曜日の夜、子どもが寝てから「やっと週末だ…」という感覚さえ覚えます。

平日の日中、娘を預かってくれている保育園の偉大さを改めて痛感する日々です。認可外を経て認可園に移った娘は、とても楽しんでいる様子。コロナ禍でも懸命に運営を続け、ときにアドバイスまでくださった園のみなさんには、本当に感謝しかありません。

2. 育児は「手伝う」ものではなく、一緒にするもの

Kota Hatachi / BuzzFeed

夫婦のどちらかがメインで育児を担当して、もうひとりが「手伝う」という意識は持っていません。

1日のスケジュール表でまとめたように、夫婦でできる限り分業をし、効率よく進めることを心がけています。そうしないと回らないので。

夫婦間のコミュニケーションも重要です。スケジュール調整も綿密に。ワンオペを頼む日や、お迎えに間に合わない日が被ったら大変です。

また、これからの育児や家計のことを相談したり、育児家事のフィードバックをしあったり、お互いの悩みを相談したりするミーティング(?)もたびたび開いています。

もはや半分、業務のようですよね。妻にも、同じプロジェクトで切磋琢磨している戦友のような気持ちが芽生えてきます。

3. 父親にも「ワンオペ」スキルは必須

Kota Hatachi / BuzzFeed

我が家の場合、僕も妻も出張や夜遅くまで仕事や会合が入ることが多く、ひとりで一通りの育児作業がこなせる「ワンオペ」のスキルの獲得が育休期間の目標でした。

自分の身の回りの整理や準備をする隙間はなかなかないのがワンオペの厳しいところ。何より大変なのはお風呂です。一切、目が離せないし、自分の髪や身体を洗ってゆっくり湯船に……なんてことはできません。後回しです。

いざお風呂から出ても、寝る前のミルクをつくり忘れた、パジャマどこだっけ……と、全裸で家中を駆け回ることも少なくありませんでした。

妻が泊まりがけの出張でいなかった最初の一晩はものすごく不安でしたが、慣れると少しずつはこなせるようになってきます。

とはいえ、これが毎日続くのはとても大変です。一度でも経験をしてみると、ワンオペ育児の負担が叫ばれる理由もよくわかるはずです。

4. 家でも外でも常に危機管理

Kota Hatachi / BuzzFeed

女性の上司に「子どもが寝ているだけの時の方がよっぽど楽だよ」と言われて「?」となっていましたが、いざ動き始めるとその意味がよくわかりました。

とにかく目が離せません。ハイハイだけで縦横無尽に部屋を移動し、テーブルの上のものを手に取ろうとしたり、椅子に登ろうとしたり、コンセントをいじったり……。口になんでも入れる時期には、誤飲のリスクにも気を配る必要があり、我が家から「安全地帯」が消えました。

歩き出すようになるとさらに行動範囲が広がるため、危険度が増します。台所、ドラム式洗濯機、お風呂場、ベランダなど、家の中でも危険がいっぱいです。外出先ではあちらこちらへと駆け出すので、子ども用ハーネスも活用することも。

その動きを先読みして常に注意を払うだけではなく、リスクを減らすため、コンセントカバーや窓の補助鍵、ゲートなどのグッズを使うようにしています。

5. 液体ミルクは神、レトルト離乳食も神

Kota Hatachi / BuzzFeed

中身をうつしかえるだけでOK、常温でも飲ませることができる液体ミルクは神グッズでした。外出中や夜間授乳で疲れているときなどに使っていました。

レトルトの離乳食も同様です。パウチスタイルのものはもちろん、お弁当箱スタイルになっているものは、常温でも食べさせることができるので、ワンオペ時や外出時に重宝しました。

どちらも賞味期限も一定程度あり、常温保存ができるので、防災備蓄にももってこいです。実際、液体ミルクは地震で数時間にわたり停電をした際にも活躍しました。

そのほか、生協の冷凍離乳食やお子様ランチ、スーパーのお惣菜などもあわせて活用しています。時間や精神的に余裕がないときは、特にそうした品々に助けられることが多いです。

6. 卒乳までは寝不足が続く

Kota Hatachi / BuzzFeed

母乳とミルクを合わせる「混合ミルク」で育てていた我が家。育休中は妻が先に寝て、僕が深夜のミルク・おむつ番をし、その分朝ゆっくり起きるというシフト制を導入していました。

しかし、ふたり同時に復帰となるとそうはいきません。夜はほぼ同じタイミングで眠るので、特段ルールづくりはせず、泣き声に気がついた方がミルクをつくるというような方式にしました。

夜泣きもせず、よく眠る子でしたが、2〜3時間に1度の授乳が続いていたので、昼の仕事中に寝不足を感じることも。とはいえ数ヶ月すると細切れの睡眠でも大丈夫になっていきます。あわせて授乳の間隔も開いていくので、段々と長く眠れるように……。

その後に待つ最後のハードルは、「夜間断乳」でした。昼の断乳は比較的スムーズでしたが、夜中のミルクをお茶などに切り替えると大号泣。2時間以上寝ついてくれないという日々が1週間ほど続きました。

いまでは朝までしっかり爆睡してくれるようになりましたが、1年以上はこういう日々が続きました。

7. 子どもはとにかく「病気」になる

Kota Hatachi / BuzzFeed

保育園に行くようになると、とにかく子どもは病気にかかりやすくなります。軽い風邪はしょっちゅうですが、ノロウイルスやRSウイルスなど、重い症状が出るものも……。

日中に発熱し、保育園から「呼び出し」がかかる場合が大変です。夫婦どちらが早退をして、できる限りはやくお迎えにいかなくてはいけません。

ご飯は食べられるのか、ゼリーなら大丈夫なのか。自分の症状を言葉にはできないので、状態で判断するしかないのが難しいところ。不機嫌になることもあれば、高熱が出ているのに元気ということもあり、遊ばせ方にも悩みます。

薬を嫌がるので、服用ゼリーやシロップ薬を活用するなど、あの手この手を試しますが、なかなかうまくいかず、親が疲れきってしまうことも……。「いちばんつらいのは本人なのだから」と言い聞かせます。

そしてなにより怖いのが、子どもから病気をうつされること。僕の場合はノロウイルスもRSウイルスも風邪も毎回のようにしっかり受け取り、倒れました。咳エチケットが存在しない赤ちゃんからの家庭内感染を防ぐのは至難の業なので、食事や生活面から気をつけていきたいところです。

8. 頼れるものは頼る

Kota Hatachi / BuzzFeed

できる限り育児の負担を減らしていくために、できる限り「頼れるものは頼っていこう」という精神で続けています。

たとえば病気になったときは、保育園になかなか復帰ができずに苦労します。その間の仕事の体制は夫婦で調整する必要がありますが、1日2000円前後で利用できる「病児保育」の制度を頼ったり、それぞれの実家などにヘルプを求めることもありました。

休日がワンオペになったときは、友人と一緒に遊んでもらうこともあります。ひとりだけで見るよりも、やはり心理的な負担が減るんです。コロナ禍で難しいところもありましたが、時期を見計らって頼っていました。

時短家電にも助けられました。ドラム式洗濯乾燥機と食器洗い乾燥機はほぼフル稼働させていますし、最近は電気調理鍋も導入しました。ロボット掃除機も検討中です。食事面では上述したようにレトルトや冷凍、お惣菜などを活用しています。

9. 「育児以外」の時間を大切にする

Kota Hatachi / BuzzFeed

「休日はない」と書きましたが、土日はリフレッシュしたいところ。子どもと親が一緒に楽しく過ごせる場所を探すようにしています。

感染状況を見つつ、近所の公園や、動いて遊べる室内遊び場、友人とのハイキングや軽登山などのアウトドアに連れ出すことも。

それと同時に、親だけの時間や、それぞれの趣味など、「育児以外のプライベートな時間」も確保できるように夫婦間で調整しています。たとえば土曜日は僕が娘の面倒を見て、妻は好きに過ごす。日曜日はその逆をする、というように。

子育てはとにかく大変。コロナ禍もあってストレスは多いです。精神的に辛くなったり、息切れしてしまったりして、家庭内でイライラすることを減らすためにも、そうした時間をきちんと確保するようにしています。

10. 子育てに「正解」はない

Kota Hatachi / BuzzFeed

子育ての「いろは」について誰かが教えてくれるということはほとんどありません。何かあるたびに自分で本を読んだり、ネットで検索をしたり、先輩パパママを頼ったり……の連続でした。

親族知人が良かれとアドバイスをくれることもあります。しかし時代に応じて変化している点も少なくありませんし、価値観の違いもあります。そもそも子どもも、夫婦のあり方も人それぞれ。

子どもが多い家庭やシングル家庭、ワンオペせざるを得ない人たちには、それぞれまったく異なる苦労や育児ノウハウがあるのではないでしょうか。

特にネット上の言説には要注意です。子育てをめぐってはエビデンスの乏しい「神話」や、医学的に不確かな情報も広がっています。親を追い詰めてしまうようなものも少なくありません。

専門家といってもさまざまな立場の人がいますし、有名な子育て雑誌などのサイトに、そうした怪しい情報が掲載されていることもあります。公的機関や学会の情報を参考にするなど、「ん?」と思った時には、情報のソースにも注意を払ってみてくださいね。

とにかく、子育ては学びがいっぱい!

Kota Hatachi / BuzzFeed

動けもしなかった娘は、もうおしゃべりになっていて、最近では会話も少しずつできるようになっています。1年8ヶ月、圧倒的成長を見せつけられています。

自我がはっきり芽生え、イヤイヤ期も始まりつつあり、怒ったりしょげたりという日もありますが、娘の笑顔と寝顔に救われているので、本当にありがとうという気持ちでいっぱいです。

いまそんな風に思えるのも、男性育休の取得を通じて子育ての大変さ、楽しさをしっかり知ることができたから。

仕事柄難しい。会社が許すかわからない。3ヶ月も離れられない――。育休を阻むハードルは少なくないでしょう。それでも、「男性育休をとってみよう」「部下が取得しやすい環境をつくろう」と思う人が少しでも増えていけば、と願うばかりです。

育児負担をめぐる性差は、まだまだ残っています。けれど、娘の4ヶ月健診の時は僕1人だけだった父親が、1歳半健診では10人近くに増えていました。少しずつ、時代は前に進んでいるのかもしれません。性差に関係なく、誰でも平等に育児に参加することが当たり前な社会になればいい。そう思っています。

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