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暴風雨でもあなたは会社に行きますか? 台湾には「台風休暇」があるんだって

政府が「休め」と言ってくれたら…

今年は台風が多くて悩ましいですね。台風が接近してきた時、みなさんはどうしていますか?

本音では、安全を考えて、在宅勤務や休みにしてもらえればうれしい。

でも、いつもより早く自宅を出発したり、公共交通機関を使わず歩いて出社したり、あえてオフィス近くのホテルに泊まったり。学校が休校になったのに親は出社しなければならず、子どもの預け先に困り果てたり。

そんな人も少なくないはずだ。

こんな切実な思いを語る人もいる。

うちの会社は台風震災ある場合、いつもより早く起きて定時に会社来いっていう鬼畜仕様。 台風消えてください!

弊社台風でもまず自宅待機/在宅勤務指示がでない素敵な会社で「有給使って休んでもいいのよ」ってなる感じのイケてる会社なので、台風来ようが全力で会社に行く所存である。労災ばっちこい。

変な時間に目が覚めた。 今日は台風対策で 会社の近くのホテル泊。 何事もなく 無事通り過ぎますように。

会社の館内放送「台風15号は時速40kmで北東に進んでおり、18時前後には関東に上陸する見込みです。そのため、定時(注:17時半)になりましたら速やかに帰宅しましょう」オフィス内爆笑。鬼畜かw

企業には、労働者の安全に配慮する義務があるが、台風でも無理して出勤させているケースは少なからずあるようだ。

一方で、無理に出社させず、従業員の安全確保に努める企業もある。

ソフトウェア開発販売会社のサイボウズは2012年、働く場所を自由に社員が選べる制度を導入した。

オフィス外で働ける時間の目安は、総労働時間の10%程度。当日であっても申請が可能で、在宅勤務や時差出勤ができるようになる。育児や介護だけでなく、台風にも適用される。

サイボウズの広報担当者は「個人やチームの生産性向上を図るためです」と説明する。

「台風の影響で、出勤の移動時間が長くなることがあります。そのため自宅はもちろん、駅やカフェで仕事をすることも可能にしています。顔を合わせなければいけない会議も、インターネットを使えばテレビ会議ができるので問題ありません。作業効率が下がることはないと考えています」

日本では、暴風警報が発表されると、学校は休みになるケースが一般的だ。一方、台湾では…

台湾政府はなんと、学校だけでなく、企業に対しても休むべき判断基準を示している。

台湾では、近づいてくる台風の強さに応じて、企業と学校に対して「颱風假(タイフォンチャー)」と呼ばれる「台風休暇」を政府が発表している。基本的に前日の夜までに、企業が休みの場合は「停止上班」、学校が休みの場合は「停止上課」と地域ごとに休みを決めている

実際に休みとするかはあくまで企業の判断に委ねられているが、この政府発表をもとにして休む企業は多い。

台湾にオフィスを置く日系企業はどうしているのか

BuzzFeed Newsは、台湾で働く日系企業の管理職の男性に話を聞いた。

「台湾は、台風が強い勢力を維持したまま上陸することが多いです。通勤時や勤務中に外に出ると危険な時があるので、私の会社では政府から休暇の通達が出ている場合は、基本的に休みにしていますね」

日本で働いていたため、最初は戸惑いもあったという。

「台湾に来た当初はやはり抵抗がありました。でも、オフィシャルなお墨付きなので、今では遠慮なく社員に休めと言えるようになりましたよ。発表のタイミングが早いのがありがたいです」

「実際、台風休暇の発表後、雨風が全くないときもあり、クレームをつける企業もあるようですが、政府は相手にしないみたいです。日本政府も、この思い切りの良さと図太さを見習えば、とも思いますが、なかなか難しいですよね。怪我をする危険を冒してまで、オフィスで働くのはどうなんでしょうか」

しかし、政府が台風休暇を決めたとしても、台湾にオフィスを置く日系のコンビニやデパートなどのサービス企業は、通常営業するところも多いそうだ。日本の"常識"は、国境を越えても変わらないのだろうか。