
アカウントは9日午前3時過ぎ、「当該ツイートを削除しました」と記したうえで「行き過ぎた表現がありました事、関係者のみなさまへお詫び申し上げます」とツイートした。そのリツイート数は、6万件以上された当該ツイートの数字からはほど遠い。

そもそも、なぜこのようなツイートをしたのか。
本人は「普段からリツイートなど全くされないアカウントだったため、個人的なメモ感覚でつぶやいてしまったものであり、悪意を多方面に拡散しようとしたものではございません」とBuzzFeed Newsに切り出した。
「本意は義援金が台湾の必要とされている方に早く、たくさん届いてほしい、それ以上でもそれ以下でもありません」。ネット上の検索で引っかかったり、これまで耳にしたりした情報をまとめたという。

「一晩であのような拡散が起き、大変驚いておりますのとインターネットの怖さを痛感しております」「Twitterの文字制限の関係上省略しすぎ、大変誤解を招く表現となった」と述べた。
そして「実際がどうなっているのかという点が不明なまま、決めつけるように書いてしまったことは私の間違い」として、「私のツイートが事実に基づいたものではないので間違いであると認めています」と語った。
また「一番困っているのは台湾の現地の方々ですので、寄付をしてほしいです。支援の輪が広がってくれれば幸いです」とコメントした。

ツイートで「北朝鮮系。言わずもがな」と書かれた認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」代表理事の大西健丞さんは 「SNSのおそろしさを改めて感じた」とBuzzFeed Newsに話した。
ツイートの削除と本人による謝罪を確認したうえで、弁護士を通じて法的措置の手続きを始めている、と明かした。ただし、その目的はあくまでデマを流せば法的に責任を問われることがある、と警鐘を鳴らすことだと強調した。
「リツイートやコメントをされた人は、悪意を持っていない人ばかりだと思います。しかし、被災者や被災地で今も活動しているレスキュー隊員らがどう思うのかも想像してほしい。自分たちの発言の重みを感じてもらいたいです」と、大西さんは語った。

リスク管理に詳しい早川明伸弁護士は、BuzzFeed Newsの取材に、デマで他人の名誉を傷つければ、名誉毀損罪に当たる可能性があると指摘する。
また、当該ツイートが「他人の社会的な評価を低下させるような内容だった場合、ツイートした本人だけではなく、リツイートした人も名誉を毀損した当事者となり、損害賠償請求されるリスクがあります」と述べ、こう注意を呼びかけた。
「他人の評価を落とすツイートを、安易にリツイートすることは気を付けた方がよいです」
2016年に発生した熊本地震の直後には、「熊本の動物園からライオンが逃げた」というデマがTwitterで拡散。偽計業務妨害の疑いで熊本県警に逮捕された。その後、不起訴処分(起訴猶予)となった。

台湾の地震救援に向けた緊急寄付の動きも始まった。9日午後5時現在での主な受付窓口は、以下の通り。