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自身の会見に姿を見せた伊藤詩織さんに、元TBS記者・山口敬之さん「問題ない」

伊藤さんはジャーナリストとして、取材しに来た。

元TBS記者の山口敬之さんから性行為を強要されたとして民事訴訟を起こしているジャーナリストの伊藤詩織さんが12月19日、日本外国特派員協会であった山口さんの記者会見場に姿を見せた。

ジャーナリストとして、取材しに来た形だ。これに対して山口さんはどう思ったのか。

会見を終えた山口さんは、報道陣の取材に応じ、伊藤さんの行動を「問題ない」との見解を述べた。

伊藤さんはこの日、山口さんの会見場で多くのメディアの記者たちと一緒に取材席に座った。

伊藤さんは真剣な眼差しでパソコンで表情を変えずにメモを取り続け、時折、山口さんや代理人の北口雅章弁護士らの方向を見つめていた。

山口さんは会見を終え、「日本外国特派員協会は、ジャーナリストでありさえすれば入れてくれる。伊藤さんはジャーナリストして活動しているんだから、私は問題ないと思っています」との考えを語った。

「伊藤さんに来てほしくないという気持ちはないです」と前置きしたうえで、今回の裁判における問題点を次のように指摘した。

「会見の中でも申し上げたが、どちらの側にも確固たる客観的な証拠がない事案です。だから、伊藤さんの発言を聞けば、伊藤さんの主張を信じてしまうのはよくわかるんです。記者をやってましたから」

「別に気にはなりません」

そして、「だからこそ裁判の結果は納得いきません」とし、今後は取材に積極的に応じる姿勢を示した。

「私がここに来て話しているのは、私も発信をしない限り、伊藤さんの主張だけが、この判決結果のように反映されてしまう。みなさんの心、記事、テレビ番組のように。そうであれば、説明する機会があれば極力説明しようと思っています」

「みなさま側(報道側)にいた私としては、答えられる質問はできるだけ答えようと決めている。制限はありますが、そのつもりで私がいることはわかってほしいと思います」

報道陣の中には「伊藤さんが会見場にいて、話しにくかったのではないか」との質問が出たが、山口さんは「いや、別にそれは気にはなりません」とすぐに返答した。

「逆に伊藤さんがいる中で話せた方が、フェアかなと思っています」


伊藤さんは2017年9月、山口さんを相手取って提訴した。

伊藤さん側の主張によると、2015年4月、当時、TBS・ワシントン支局長だった山口さんと就職相談のために会った。東京都内で食事をすると、2軒目の寿司屋で記憶を失い、痛みで目覚めた。

そして、山口さんが宿泊していたホテルのベッドで、避妊具をつけずに性行為をされていることに気づき、その後も体を押さえつけるなどして性行為を続けようとされたという。

これに対し、性行為は「合意のもとだった」などと反論した山口さんは、名誉毀損やプライバシーの侵害を訴えて反訴。

しかし、18日の判決では、裁判所は伊藤さんの供述が、山口さんの供述と比較しても「相対的に信用性が高い」とし、山口さんが伊藤さんに330万円を支払うよう命じ、山口さんの反訴を棄却した。