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山本太郎代表のれいわ新選組が「最後の訴え」。ネットと現場に生まれる独自の「勢い」

「手応え感じまくりや言うとるのに!っていう」

参議院議員選挙の選挙戦最終日の7月20日、BuzzFeed Newsは複数の政党の街頭演説を取材した。

山本太郎代表率いる「れいわ新選組」は、東京・新宿駅西口で「最後の訴え」をした。

れいわ新選組は、公職選挙法などが定める「政党要件」を満たさない。このため、要件を満たす他党に比べると報道各社の扱いが少ない。

一方で、ネット上では、Twitterで「#比例は山本太郎」といったハッシュタグや政策がトレンド入りするなど、注目を集めてきた。

この違いは、どこから生まれるのか。演説会場を訪れた。

報道が少なくとも、Twitterではトレンド入り。現場でも盛り上がりが

れいわ新選組は、山本代表が旗揚げし、比例区と選挙区で計10人の候補者を擁立した。

政党要件は、公職選挙法などが定めている。「国会議員5人以上、あるいは直前の国政選挙で2%以上の得票」を得るのが条件だ。

れいわ新選組は比例区で、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者で人工呼吸器を装着した男性と、重度身体障害のある女性が立候補した。

さらにこの2人に、比例区で得票が一定数を超えれば優先的に当選する「特定枠」を適用。山本代表が当選するためには、2人を当選させたうえで、さらに得票を積み増さねばならないという「背水の陣」を敷いている。

響き渡る「太郎」コール

山本代表が午後7時前に会場に到着する前から、多くの通行人が足を止め、演説する候補者らの演説に拍手や声をあげていた。

そして、新宿到着を知らせるアナウンスが入ると、「太郎!太郎!太郎!太郎!」というコールが会場を包み、場を盛り上げていく。

山本代表は勢いよく登場し、冗談を飛ばしながら歓声に応え、聴衆を巧みにあおる。

「永田町の野良犬、山本太郎でございます」

テレビ各社が、れいわ新選組の演説会場で取材はするものの、放送しないと語りつつ、続けた。

「毎回、聞くことは同じ。手応えはいかがですか?」

「手応え感じまくりや言うとるのに!っていう」

そう述べると、聴衆は「おーー!!」「ふぉーー!!」と声をあげた。

そして「現場の熱狂は、票にはつながりづらい」と、投票を呼びかけた。

「見とけよ、永田町。食い物にするんじゃない。一人ひとりを大切にする。個人を尊重するのは、憲法にも書かれていること。個人として尊重されるはずが、国は介護・保育のお金はなかなか出さない」と政権批判につなげた。

「消費税廃止」「雇用の安定」などの政策を訴えるたびに「太郎やれ!」「そうだ!」と、聴衆から歓声と拍手が起きる。

終了時刻となる午後8時を過ぎても、その場に残る人が多くいた。聴衆の中には寄付に向かう人の姿もあった。

意表を突く候補者選定と、「参加型」「盛り上げ型」をつきつめた演説。それをSNSで、支持者らもシェアする。最後まで独自路線をとり続けた。