沖縄の中学生が同級生に殴る蹴るの暴行 動画がネットで拡散、 学校が事実を確認

    Twitterに投稿された動画。そこには、一方的に殴られ、蹴られる男子中学生の姿があった。生徒たちの通う学校が、暴行の事実を認めた。

    Twitterに1月30日、学生服姿の男子生徒が別の男子生徒を一方的に殴り、蹴る動画がアップされた。BuzzFeed Newsの取材で、沖縄県の中学校の生徒たちであることが確認された。

    カウントダウン後に暴行を再開、周囲は笑い声

    動画は2分6秒間。「スタート」という声から始まる。向かい合っていた男子2人のうち、一方がもう一方を一方的に殴り、蹴る。暴行を受けている男子は、一度も反撃することなく身をかがめ、ひたすら耐えている。

    うずくまっているところに膝蹴りをしたり、倒れこむと顔付近を蹴ったり。やりたい放題だ。背中を蹴って響き渡る音の大きさから、手加減のない力の強さがわかる。無抵抗の男子からは時折、嗚咽が聞こえた。

    周囲にも見物している生徒らの姿があり、一方的な暴力を笑いながら見ている。「あいつ日曜日に工事から帰ってきたおじさんみたい」とからかう人もいた。暴行された男子が、膝に手をつき暴行が一旦止むと、10秒間のカウントダウンがされ、終わった途端に再び暴行が始まった。

    一人の男子が「やめよう」と言い、動画は終わる。暴行を受けていた男子を助ける様子はなく、暴行が終わってからも駆け寄る姿はなかった。

    BuzzFeed Newsは生徒らが通うと見られる中学校に、電話で問い合わせた。

    校長が対応し、この暴行ビデオに2年生の男子生徒7人が関与していると認めた。7人のうち1人が暴力を振るい、被害を受けた生徒も2年生だという。

    校長は暴行の原因について「暴力を受けた子から悪口を言われることがあり、積もりに積もって今回の件に至ったと説明を受けました」と話す。

    動画は1月20日に撮影された。25日昼頃、LINEで動画が広まり、撮影者の男子生徒が学校に報告。その日に、学校は関わった7人に個別に聞き取りし、被害者の両親に連絡した。市教委には26日に報告した。

    学校は27日に加害側の生徒たち全員と保護者を集め、動画を確認した。

    「保護者の方はびっくりされていました。涙を流しながら、その場で生徒を叩く方もいました」

    被害者の両親は、生徒たちとの個別の面談を希望していた。そして、29日に生徒たちとの面談が実現し、直接聞き取りをしたという。

    「3時間の面談が終わった後、(被害者の父は)『生徒たちは反省している。今後、また友達になれるか学校として見守ってほしい』と言っていました」

    校長によると、暴行した生徒と被害者は小学校からの友人で、8人全員が友人関係にあったという。学校は市教委の判断で警察に届け出ようとしたが、被害者の両親の希望で届け出ず、全体集会や保護者会も開いていない。

    被害者は、学校を休まずに登校を続けている。校長は「本人たちは、反省しています。再発防止のために指導を行い、情報をこれ以上拡散させず被害を防ぐためにも、情報モラルの指導も徹底したいと考えています」と話している。

    Twitter上の動画は、1月30日夕方現在も拡散し続けている。