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自分は人間。けれど、いったい何なんだろう。「普通とは違う」若者2人が前に進むまで

セクシュアルマイノリティだからこそ頼ってもらえ、聞いてあげられる話がある。若者たちは行動している。

自分たちを知ってもらうことで、ジェンダーやセクシュアリティという枠組みは関係ないと示したい。そのためには、自分たちをパフォーマンスで表現し、どんな人に対しても寄り添うことが大切だ。

そう考え、行動に移す若者がいる。

セクシュアルマイノリティだからこそ頼ってもらえ、聞いてあげられる話がある。2人は意気込んでいる。

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(左から)シャッツさん、るいさん

トランスジェンダーのFtM(女性として生まれ、性自認が男性である人)の男性のるいさん(25歳)。

もう1人は、FtXのシャッツさん(24歳)だ。男性でも女性でもない「Xジェンダー」というジェンダーで、人を好きになる時に相手のジェンダーとセクシュアリティを条件とせず、その好きという気持ちに性愛感情を伴わない「パンロマンティック」を自認している。

出会いは、出身地である青森県だった。どちらも小学校時代からダンスを始め、るいさんが社会人、シャッツさんが大学生の時にダンスグループで初めて顔を合わせた。

再会、2人のダンスチームを結成

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るいさんが性自認と性的指向に気づいたのは、中学生の頃だった。制服で「男女」と分けられることに違和感を覚え、「自分は女の子ではない」とわかったという。

一方、シャッツさんは、自身のことがはっきりするまで時間がかかった。幼少期から性別で人を判断することが嫌いで、男性は女性が好きになり、女性は男性が好きになって当たり前だという考え方に疑問を持ち、モヤモヤしながら過ごしてきた。

女性として生まれ、スカートを履くことも多かったというが、大学時代にジェンダーに興味を持ち、調べるようになった。

そして、性自認や性的指向が定まっていない「クエスチョニング」として上京後の2018年。名称がつけられたジェンダーとセクシュアリティの情報と、自分自身を照らし合わせ、ようやく「自分がどんな人なのか」はっきりしたという。

その後に2人は再会し、意気投合。2019年に2人のダンスチーム「so what」を結成した。

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現在は、FtMが主役となるクラブイベントなどを開催している「GRAMMY TOKYO(グラミートーキョー)」に所属し、ダンスやDJのパフォーマンスを行なっている。

シャッツさんは言う。

「エンターテインメントは、人の心を動かすと思っています。自分たちが表に立ってパフォーマンスをすることで、観客の方がかっこいいと思って、自分たちのことを調べてくれる」

「そしたら、FtMやXジェンダーなどの情報にたどり着く。それによって理解が深まる。そうしてストレートとセクシュアルマイノリティの壁を壊すきっかけになると考えているんです」

ダイレクトメッセージで気づいたこと

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2人は、インスタグラムやTwitterでジェンダーやセクシュアリティをオープンにし、日々の生活や思いを投稿している。すると、ストレートの人からもダイレクトメッセージで相談を受けることがしばしばあったという。

親子関係や、パートナーとの関係の悩み、思春期の子どもから哲学的な相談を受けたこともある。

「話をただ聞いてほしいという人はこんなにもいる。セクシュアルマイノリティの自分たちだからこそ、聞いてあげられることもあるのではないか」。2人はそう気づいた。

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るいさんが働くゲイバーで、客の一人であるストレート女性がこんな話をしたという。

セクシュアルマイノリティの人は良いよね。私は、普通だからこそ、仕事しなきゃ、結婚しなきゃとか普通に縛られる。でも、ここに来ると、悪い意味ではなく普通じゃない人たちがいるから、素でいられるし、いろいろ話せる。

「自分たちが普通じゃないことで苦しんだ時期もあったけれど、逆に、普通だから苦しんでいる人もたくさんいるんだろうな、と思ったんです。だから、いわゆる普通とは違う人たちだからこそ、話せることがたくさんあると思っているんです」(るいさん)

寄り添うのは「自分がしてほしかったこと」

BuzzFeed / Via line.me

もっと多くの人の話や悩みを聞いてあげられないか。そう考えた2人は、LINEで公式アカウント「僧(so) what」を開設した。

なぜ、人に寄り添うのが大切だと思うのか。

るいさんは「自分がしてほしかったことだからです」と返す。

「自分のことを人に言えなかったからこそ、ひとりぼっちの気分でいた時がありました。自分は人間だけれど、いったい何なんだろうと。誰でもいいから寄り添ってほしかった。人の話を聞き、寄り添うことで、自信につながることもあるのではないかなと考えています」

シャッツさんも「どうしようもないくらい落ち込む前に、その人の話を聞くことで予防になればいいなって。誰かに受け止めてもらうことで、ポジティブな思考になれると思う。なんでも吐き出せる場所にしたいんです」と話す。

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2人ともこれからも顔を出し、セクシュアルマイノリティの話題を発信し続けたいと考えている。

るいさんは「何がなんだかわからない時に、青森から東京で活動している人を見て、『僕は一人じゃない』って思えたから」と振り返る。

「わからないからこそ、偏見って生まれると思います。自分たちをもっと知ってもらうことで、ジェンダーやセクシュアリティという枠組みは関係ない、人は人なんだと示したい。みんなが、ちょっとでも幸せになれるようお手伝いしたいです」

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シャッツさんは「誰かが話すことによって、誰かが知るきっかけになる。元気になったり、親近感が沸いてくれたりすれば良いかなと思うんです。だから、疑問に思うことには何でも答えます。私は失うものがないから」と強い意志を持つ。

「ボーダレスを実現したいんです。誰かの一つの発信が、人の意識を変えることがある。そして、集団の意識が変わると、スタンダードが変わると信じています。幸せはあくまで自分で決めるもの。ダンスやカウンセリング、発信を通して、誰かの幸せ探しをサポートし続けたいです」

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so what / Via youtube.com

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バズフィード・ジャパン ニュース記者

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