天皇陛下の象徴「三種の神器」。なぜ非課税?いつ皇太子さまに引き継がれる?

    歴代天皇が皇位とともに代々受け継いできた。

    天皇・皇后両陛下は4月17日、伊勢神宮の参拝のため、三重県に向けて出発する。天皇陛下の退位に伴う儀式の一つで、退位を報告する。

    共同通信によると、歴代天皇が皇位とともに代々受け継いできた「三種の神器」のうち、剣、勾玉(まがたま)を携行する「剣璽ご動座(けんじごどうざ)」が5年ぶりに実施される。

    皇位とともに、皇太子さまに継承される三種の神器。生前退位のため、贈与税を非課税とする特例法が成立されたのが、かつて話題になった。改めて内容を見ていく。

    そもそも三種の神器とは、「八咫鏡(やたのかがみ)」「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」「八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)」。

    皇位の象徴であり、誰であっても直接見てはいけないとされている。

    「相続税」ではなく「贈与税」

    三種の神器を含む「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」は、天皇崩御によって「相続」されてきた。相続税法で、非課税の対象となっている。

    第一二条 次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
    一 皇室経済法(昭和二十二年法律第四号)第七条(皇位に伴う由緒ある物)の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物

    今回は、天皇陛下の生前の継承になるので、相続ではなく「贈与」にあたる。

    そのため、有識者会議で贈与税の扱いが議論された。そして、2017年4月の最終報告書で、こうまとまった。

    退位に伴う場合であっても、皇位継承に伴う由緒物の承継であることには変わりはないことから、相続の場合と同様に由緒物に対する贈与税も非課税とすることが適当である。

    これを踏まえて、その年の6月に成立した特例法で、三種の神器の「贈与税」も非課税にすると決まった。

    第七条 皇位とともに皇嗣が受けた物については、贈与税を課さない。

    三種の神器が引き継がれる日は

    両陛下は18日、外宮と内宮を参拝し、退位を報告し、19日に帰京する予定だという。

    2人の侍従が剣と璽をそれぞれケースに入れ、皇居から携行するという。

    天皇陛下は4月30日に退位する。翌日の5月1日、皇太子さまは新天皇に即位し、新元号が「令和」となり、「剣璽等承継の儀」で剣璽を引き継ぐことになる。