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歴史的大敗を喫した自民党本部の長い夜 なかなかつけられなかった赤い花

大敗を受け、下村氏は都連会長を辞任する意向を示した。

7月2日に投開票された都議選。選挙前に57議席を誇り、都議会第1党だった自民党は、60人の候補を擁立して臨んだが、過去最低の23議席に終わった。

小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」と公明党など選挙協力する勢力に、過半数となる79議席を許す歴史的大敗だった。

この日の夜、自民党本部にはどのような時間が流れていたのか。BuzzFeed Newsは、会場入りして下村博文都連会長を取材した。

「いざ!首都決戦都議選必勝‼︎」との看板が掲げられた自民党本部の会場。両サイドには、「責任を果たす。」などと書かれた安倍晋三首相のポスターが貼られていた。

午後8時、会場に設置されたテレビからNHKの速報が流れた。都民ファーストに大敗を喫するとの見込みを伝えるものだった。

報道陣から「ああ」「こんな議席少ないの」などと声が漏れる。自民党のスタッフは、静まり返った。

同時刻に合わせ、下村氏が会場入りするとされていた。しかし、なかなか現れない。テレビからは、勝利の一報を受けた小池知事の声が聞かれた。

報道陣から一斉にフラッシュが焚かれる。別室で一報を聞いていたのか表情は硬い。席に着くと、テレビ画面を見つめ、肩を落とした。

テレビの中継が始まると、しばらく閉ざしていた口を開いた。

「非常に厳しい結果であろうと受け止めています。責任は十分に、十分に感じています。結果が出ていないので、まずは見守っていきたい」

「都議会議員候補は地に足をつけた選挙活動をしていた。ですが、国政の問題で大変な逆風が吹いたので、厳しい結果になった。申し訳なかったと思う」

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中継が終わると、席に座る皆がうつむく。会場には、どんよりした空気が流れる。

下村氏の責任について問おうと、複数のテレビ中継で、文部科学相時代に、学校法人「加計学園」から「闇献金」があったと週刊文春が報じた疑惑について聞かれた。

突っ込まれた下村氏は「あれは選挙妨害だ」と繰り返し、苛立つ表情も見せた。

「事実ではないと会見したが、有権者に届かなかった。逆にマイナスに働いたのは、お詫び申し上げたいと思います」

さらに、「ペンの暴力」と批判し、「書かれた方が被害者になる」とも語った。

しかし、下村氏の表情、声の大きさからはいつもの覇気は感じられない。目はうっすらと充血していた。

それは、テレビ東京の選挙特番で都議選を解説したジャーナリストの池上彰さんと挨拶を交わした時だった。

すぐさま表情を戻し、選挙結果に対し「非常に残念です」と語り、「発言や失言、国会の会期末の問題が、都議選の結果に影響した」と述べた。

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テレビ画面に注目していたのは、下村氏や自民党のスタッフたちだけではない。リアルタイムの情勢をつかむため、報道陣も会場にあるテレビを逐一確認していた。

静まり返る会場内に、テレビから速報を伝える音とテロップが流れた。記者やカメラマンが一斉に画面を向く。

将棋の最多連勝記録を更新した中学3年生の藤井聡太四段が、対局で敗れ、30連勝が叶わなかったことを伝えるニュースだった。

報道カメラマンの一人が、思わず本音を漏らす。「おお、まじか。こっちの方が興味あるわ」。

人によって都議選に対する興味の差はあるが、一眼レフカメラを持った記者やカメラマンは、下村氏の仕草や表情を常にチェックしていた。印象的な姿を写真に収めるためだ。

下村氏が髪を触っても、口をすぼめてもシャッターが切られていたが、ペットボルに入った水を飲む度にフラッシュが焚かれていた。

そんな会場の居心地が悪かったのか。下村氏をはじめ数人が、時折会場から姿を消しては戻ってくるを繰り返していた。

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午後9時55分、世田谷区の男性候補者が当選を確実にすると、ようやく赤い花をつけた。盛大な拍手はなかったが、笑顔を見せ報道陣の撮影に応じた。

その後も、当選確実の報を受け、こう期待を込めた。

「3つの花がつきました。早くたくさんの花がつくことを心待ちにしているところです」

60人の候補者の氏名がずらりと並んでいたが、赤い花をつけたのは23人に終わった。一方の小池知事は、都民ファーストの多くの候補につけた花を数え直す余裕を見せたという。

「決められない知事」や「小池知事の驕りはどうかな、と都民も思ったのでは」などと小池知事を批判し続けてきた下村氏は、選挙結果についてこう語った。

「小池都政への期待感だと思います。積極的に協力するところは協力したい」

「都民のみなさまが厳しい審判を下した。自民党の信頼を回復できるような努力がこれから問われる」

下村氏はこの日、都議選で大敗した責任を取り、都連会長を辞任する考えを示した。

「非常に残念ながら大惨敗だった。責任を取って都連会長を辞めたいと思う」

3日の臨時役員会で正式に伝えるという。

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BuzzFeed Newsでは、東京都議選に関する記事をこちらにまとめています。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kensuke Seyaに連絡する メールアドレス:kensuke.seya@buzzfeed.com.

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