学校法人「森友学園」の国有地売却をめぐる財務省による14件の決裁文書の改ざん問題。佐川宣寿・前国税庁長官が3月27日、参議院予算員会で証人喚問に臨んでいる。
書き換えについて、自民党の丸川珠代議員から安倍晋三首相や、首相の妻である昭恵氏などの指示はあったかについて問われた佐川氏は「ございませんでした」との答弁を連発した。

誰が、いつ、なんのために指示したのか
今回の証人喚問は、文書の書き換えが、誰が、いつ、なんのために指示したのか、国有地売却を含めて政治家や昭恵氏の影響や関与があったかなどが、焦点になる。
まず金子原二郎委員長が文書の「書き換えを知っていたか、そうならば誰がどのような動機で、いつ、誰に指示したか」を質問すると、回答を避けた。
「私は捜査の対象であり、刑事訴追を受ける恐れがあるので、答弁を差し控えさせていただきます」
その後、「当時の担当局長として責任は私にあります。誠に申し訳ございませんでした」と陳謝。新たな事実が出ることはなく、丸川議員の質疑に移った。
名前が挙がったのは

「(書き換えは)官邸に報告することなく、理財局の中で行ったと考えている」と強調した佐川氏に対し、丸川議員が安倍首相らの名前を次々と挙げて、指示があったか尋ねた。
名前が上がったのは、安倍首相、昭恵氏、菅義偉官房長官、首相秘書官、麻生財務大臣、財務大臣秘書官、財務省の官房、他局の幹部ら。
佐川氏は「ございませんでした」と同じ回答を繰り返し、首相官邸の指示がなかったかについても「間違いございません」とし、理財局外の関与を否定した。
その後、土地取引についての話に入り、安倍首相と昭恵氏が「関わっていないと断言できますか」との質問に、佐川氏は「私がずっと勉強し、書類を読んで答弁した中では、総理も総理夫人の影響もございません」と言い切った。
会場ではざわつきも

そして、丸川議員が次のように述べて質疑を終えると、会場は笑いも入り混じり、ざわついた。
「少なくとも総理、総理夫人、官邸の関与はなかったという証言が得られました。ありがとうございました」
やつれた表情の佐川氏の答弁が続いている。証人喚問が始まる冒頭、宣誓書を朗読し、捺印した。
「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、また、何事も付け加えないことを誓います」
もし佐川氏が虚偽の答弁をすれば、3ヶ月以上10年以下の懲役が科せられる。
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