記録的な豪雨で、住宅地が広範囲にわたって冠水被害に遭った岡山県倉敷市真備町で7月9日、被災した馬が見つかった。
発見されたのは、住宅の屋根の上だった。
真備町では川の堤防が決壊し、3メートル以上の高さまで水に浸かった箇所もあった。
9日には少しずつ水が引き始め、深刻な被害の実態が明らかになりつつある。
仕方なく馬の繋ぎを外す対応
そんな中、見つかったのがこの馬だった。
現地で災害支援にあたっている認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」によると、馬は雌で名前は「リーフ」という。
一般財団法人・倉敷成人病センターが運営する農場「まびファームかけはし」(真備町箭田)で飼育されているミニチュアホースだ。
大雨が激しさを増した6日の金曜日。避難するのもやっとだったため、スタッフは仕方なく馬の繋ぎを外した。
その後、リーフは川から押し寄せた水に流されるなどして、住宅の屋根の上にたどり着いたとみられる。
突然、屋根から落下
PWJのレスキューチームは9日、避難所に指定されている小学校から別の小学校へと移動する途中にリーフに気づいた。
助けようとメンバー間で連絡を取りあっていたところ、突然、屋根から落下。幸いにも胴から落ちたこともあり、すぐに立ち上がった。
急いで水やスポーツドリンクを器に注いで与えると、一気に飲み干したという。
自らも被災している町の住人が、餌としてキャベツ1玉とニンジン15本を持ってくるといった場面もあり、話を聞きつけた農場のスタッフとも無事再会した。
リーフは牧場へ
ただし、農場の被害が大きく、当分の間は世話ができる状況ではない。そのため、普段から交流がある牧場に預けることになり、PWJのスタッフが車で連れて行ったという。
PWJ広報の里脩三さんは「無事に立ち上がり、元気に水やご飯を食べていたのでホッとしました」とBuzzFeed Newsに語った。
PWJは西日本豪雨を受け、国際プラットフォーム「アジアパシフィックアライアンス・ジャパン(A-PADジャパン)」と、公益社団法人「シビックフォース(CF)」と緊急合同支援チームを結成。
真備町内の病院に残ったままだった数十人の患者をヘリコプターやボートを使って救出し、別の病院へ搬送。避難所では食料や衛生用品を配るなどし、被災地の緊急支援にあたっている。
被災地支援のため、緊急募金が始まっている。主な寄付先は以下。